保健室にいた頃、5年生の男の子が学校に来られなくなりました。

「登校刺激」のために、私は毎朝、男の子の家に行って「学校に行こう!」と誘いました。

その様子から、「たぶん、今日も、学校には行かないだろうな」と思いながらも、プリントを渡したり、家での様子を聴いたりします。

ほぼ、毎日、同じ時間帯に行われる私の訪問に、彼は彼なりに、できる笑顔と答えを用意して待っていました。

彼の両親もまた、私を気遣ってくれているような感じさえしていました。

親と子どもと私の中に、わずかにでも信頼関係がないと「登校刺激」は、家族にただ苦痛を与えているだけ。

そんなある日、お母さんが彼の前で、きっぱりと私に言います。

 

「この子を信じていますから!」と。

 

お母さんの本心から伝えられた言葉には、我が子の今の状況を受け入れ、守ろうとする母親の「強い意志」がありました。

その言葉は、私にとって衝撃的で、「こんなに子どものことを信じてくれる親がいてくれたら、◎君は大丈夫だな」と思いました。

…と同時にうらやましいなとも思いました。

 

お母さんには、世間の目や噂話への恐れよりも我が子を守ることが大切だったのです。

 

辛い時に親にまで、無理に学校に行けと毎日責められ続けたら潰れてしまいます。

「甘え」という言葉で片付けられない苦しみがある。

どんな理由であれ、本人には…。

「〇〇しなければならない」だけを通すのではなく、辛い期間を一緒に乗り切るサポートが必要なのだと思いました。

それは、子ども本人だけではなく、それに関わる親、他の子どもたち、そして担任の先生が少しでも安心して過ごせる(生きられる)まわりの人たちのサポート、氣持

ち、環境なのかなと思います。