その日の朝会社近くのコンビニでいろはすの
シャインマスカット味を見つけていた。
新しい味見つけてお父さんに飲ませてあげるつもりで買っていた。
会社帰り実家最寄り駅で拾ってもらい
お母さんとお兄ちゃんと3人で病院へ行った。
お兄ちゃんは、お父さんに自分が会いに行くことで
自分はダメなんじゃないか?と心配かけるかもと
会っていなかった。
先生の話を私も聞きに行くその日、入院後に初めて顔を出した。
私が少しおくれて受付から戻ると、お母さんとお兄ちゃんが待合に座っていて
今点滴中だからって少し待たされていた。
お母さんが
「お父さんが、遅いじゃないか!」ってすごく怒ってたのよ、と言っていた。
私が残業なんてしちゃったからだ。
ごめんね、お父さん。
点滴が長引いていた。
もう、刺す場所がないくらい腕は青くなっていた。
部屋に行くといつもより苦しそうで
酸素が80前半。70台になると、ピコピコなる。
海苔巻き待ってた、お腹すいたと。
お母さんが食べさせてあげると
酸素が60台になるけど、夢中で、
少し意地らしく食べていた。
あんまり食べると苦しいからと、
なだめながら見守った。
入院して初めて見る父の姿、お兄ちゃんの目が
赤くなってた。
だいぶ悪くなっている
先生の話を聞くのが怖い。
でもお父さんは、お昼の好きなフルーツに手を付けず、2時前まで
海苔巻き、待っていたんだね。
新しい味のいろはすをのませたかったけど、
むせているしお水と苦しそうにいうお父さんに
冷蔵庫にあるもも味のいろはすをコップに入れて飲ませた。
それがさいごの食べたもの
飲んだもの。