二代目コンブと母の話 前編(飼主報告より)

 

引き取りから ひと月

人嫌いの咬み犬コンブも だいぶ落ち着き

両親が暮らす実家に 連れて行けるようになった

 

母は 可愛がらないわけではないけれど

『犬は犬 人間サマの方がエライ』 というタイプ

 

コンブは 実家に着いて早々 ケージも犬ベッドも無視して

居間のソファを 自分の居場所に決めた

 

  あらやだ ナマイキ

  ここはおばあちゃんの 昼寝する場所よ

 

母は 新参犬に ソファを譲ろうとはしなかった

 

コンブに甘々な 私と父は

母に 自分のベッドで昼寝してくれるよう お願いするが

人間サマの母は まったく聞く耳を持たない

 

  犬はもっと すみっこに行ってちょうだい

  あら あったかい 湯たんぽになるなら居てもいいよ

  やわらかいねえ マクラにちょうどいいねえ

 

ちょっとちょっと 私の大事なコンブに ひどくない?

 

抗議するも 当のコンブが 唸りもしないし 逃げもしない

いつもの無表情で 傍若無人な母に されるがまま

 

  いいもんねえ コンブちゃんは

  おばあちゃんの湯たんぽに なりたいんだもんねえ

 

やめてよー いま慎重に 人馴れさせてるとこなんだからー

 

 

  

 

 

 

 

 

「今から書くよ 絶対に」

 

と決意表明してから はや ひと月

やっと昨日送った 二代目コンブの飼主報告

 

前々回のブログの後 すぐに書き始めたものの

いろんな思いが溢れて 書けなくて書けなくて

 

やり過ごせたと思ってた感情が

こんなに褪せることなく 残ってたなんて

 

 

父が逝き 母が壊れ

父の死を飲み込めないまま 一周忌を終え

母に寄り添い切れなくなり 施設に入れた

 

しんどかったその時期 コンブはいつも側にいて

全てを見届けたかのように 倒れ 旅立った

 

 

そんな文章を 平常心で書けるわけもなく

思い出して書いてる今でさえ メソメソしてるのに

 

テンションは下がるし 仕事は入るし 大雪は降るし

ひと月で書き上げたなんて がんばったんじゃないかと

自分に甘々な 今日この頃

 

 

報告書 闘病の話はサラリと流し

保護施設への感謝と 母とコンブのエピソードで締めた

 

報告書を送ったあと 続けて2通目

 

死ぬまでにもう一度 犬と暮らしたいと思っている

相談に乗って欲しい旨を メールで送った

 

溜まった仕事と 自律神経と 汚部屋とデブを

なんとかしようと行動しつつ 返事待ち

 

とにかく夜寝て 朝起きて 

遮光カーテンを開けるとこから 始めよう

 

今年は久しぶりに

ひとりぽっちの 節分

 

もう ここんとこ 繁忙期が容赦なくて

三代目の進展どころか マメ撒く余裕もなくて

 

うん ひとりだと 撒かないね マメ

 

犬には 何してんの って顔されたけど

いちおう ちゃんと 撒いてたのよ マメ

 

私と犬の 厄災払って 無病息災願って

けっこうしっかり 撒いてたわ

 

何にでも 参加させられ…

いや 参加してくれてた 二代目コンブ

 

ノっては来ないけど イヤがらない

シャイで無口な ナイスガイ

 

来年は三代目と マメ撒きしよっと

二代目コンブが旅立ち 半年が経つ

 

ふと久々に 体重計乗ったら 5kg 増えてた

横になると 激しい動悸が起こり 眠れなくなった

 

たぶん 自律神経

 

犬散歩が無くなったことで

完全な ひとり在宅ワークなことで

 

お腹が空いたら食う 限界が来たら眠る 時間があれば仕事する

1日中 遮光カーテンも開けることなく とんでもない日々を過ごしていた

 

自分が危惧していた以上に 自分が壊れて来てる

 

 

しょうがない 書くか 飼主報告

 

ちょうど急ぎの仕事も いったん落ち着いたし

今日書かないと 月曜からはまた バタバタになる

 

一緒に過ごした4年半 コンブはすごい成長を遂げたんだ

 

吠えて咬みつき 触らせもしなかった 14才の元野良犬が

赤ちゃん抱っこでウットリと 甘えた瞳で見つめて来るほどに

 

18才の旅立ちと 4年半繰り広げられた 母とのバトルを報告しよう

コンブの成長が分かる とても可愛いエピソードだ

 

 

ただ この4年半は 母が認知症を患い 施設に入るまでの期間でもある

俺が面倒見るからと 母の入所を拒んだ父が 亡くなったのは一昨年だ

 

 

コンブの4年半を書こうとすると そんな記憶も鮮明によみがえる

うん それはそれで しんどいんだけど そんな場合じゃないね

 

まだ母は 笑って元気に 生きている

もう1匹 幸せに出来るワンコも いるかも知れない

 

とりあえず 現状から1歩 動いてみる

 

繁忙期のさなか すぐの引き取りは無理だけど

保護施設に相談して 見通し立てて 少しずつ準備も始めて

 

まずは そのために 書くか コンブの飼主報告

書くよ 今から すぐに 絶対に

 

進展どころか まだ何もしてないけど

ダメダメな自分に気合を入れる 決意表明

 

 

 

今日は 昨日の吹雪がウソのような 暖かい日で

ご近所さんから 犬の散歩に誘われた

 

  雪で遊ぶ犬 見たくないですかー?

 

このおウチの黒い大型犬は 道東の保護施設から来た 野犬の子

 

犬が退化し無くしてしまったという 後ろ足の五本目の指を

オオカミの血を引くこの犬は 誇らしげに持っていた

 

野犬あがりの身体能力と 慎重な警戒心と臆病さを持ち合わせ

大抵の人や犬には怯え 威嚇してしまう なかなか悩ましい子だ

 

行く行く 久しぶりだね 元気だった?

 

なぜか 私と二代目コンブは この野犬の子に懐かれて

高い塀を乗り越え脱走しては ウチの玄関前で 出待ちしてる程だった

 

  次の子 もう決めたんですかー?

  出来れば先に ウチの子と顔合わせしてくれないかなー

 

そうだね コンブみたいに一緒に遊びに行けたら 楽しいだろうな

でもゴメン それは選ぶ決め手には ならないわー(笑)

 

  そうですよねー(笑)

  あー ウチの子と気が合うといいなー 楽しみー

 

野犬の子は 雪の上で転がり 雪玉を追いかけ 大きな雪塊にかじりつく

見ていて 思わず笑っちゃう どんどん胸が 温かくなる

 

正月早々 兄家族と揉め 心が削られていた

価値観が違いすぎて 驚くほど 言葉も気持ちも通じない 

 

犬だって 価値観違うし 言葉も通じないし 好き勝手されるし

手もお金もすんごいかかるのに なんでこんなに 愛おしいんだろう

 

やっぱり 凹みやすい私には 犬たちのチカラが必要だ

 

 

ヨソのお家の子 勝手にUP

 

出待ちしてたから 玄関に招き入れ お迎え待ってるとこ

このまま ウチの子にならないかい? と誘惑してるとこ

元旦は 母を施設から連れ出し 妹家族の家に泊まった

 

施設ルールが『外泊は1泊まで』なので 年越しはあきらめ

せめてお正月くらい 一緒にゆっくり過ごそうと

 

母は特に変わらず 性格は前向きで大雑把

おおむねご機嫌で よく笑い よく食べ よく眠る

 

ただ記憶だけが 10秒と持たない

 

同じ質問を 10秒ごとに何度も聞いてくるのは 構わない

同じ食べ物を 久しぶり!初めて! と何度も喜べるのは 羨ましい

 

ただ 就寝中に目を覚ます度にパニックを起こすのは しのびない

 

  「あらっ ここはどこ⁉︎」

  「いつの間に私をここに連れてきたの⁉︎」

 

私と妹は眠ることが出来ず、ひと晩じゅう母に寄り添っていた

 

母は来月、95才になる

 

今年も体が元気な内に 一緒にたくさん 旅行しようと思っていた

だけど 目覚めるたびに あんな不安に陥るのは 辛いだろう

徹夜で付き添うのは構わないけど 本人が楽しめないなら意味がない

 

おそらく今年から 遊びで外泊する機会はなくなる

 

犬を飼うに当たっての問題がひとつ クリアされた

母との外泊のたびに どこかに預けねばと思っていたから

 

ああ 出来るだけ早く環境を整え 二代目の報告書を提出し

お犬様をお迎えしなければ 私のメンタルが削れて なくなりそう

 

いまだ年賀状を 焦って書いてる私だけど

今年はもっとがんばろう と まだ来ぬ犬に誓うのだった

 

先日入った急ぎ案件 3日がかりで やっと提出

 

当初は〝1日で出来たらうれしいな〟案件だったから

無理じゃん と思いながら 1日で出そうとがんばる

 

やっぱり全然 無理なんだけど

ちょっとでも 早く出そうとがんばる

 

行き詰まっても 気分転換してる場合じゃない

なんだかお腹は空くけど 食べてる場合じゃない

 

食べるものも無い 食べたいものも無い

買物行ってる場合じゃない 寝てる場合でもない

 

PCが嫌になって 部屋の中をぐるぐる歩く

うっかり寝転がった弾みで 寝オチする

ほんの数時間で飛び起きて 慌てて珈琲を淹れる

 

終わったら終わったで 目が覚めるまで寝るつもりが

脳の緊張が取れなくて 数時間で飛び起きる

 

 

ウチの犬たちは 吹雪だろうが 丑三つ時だろうが

いつだって機嫌良く 散歩に付き合ってくれた

 

行き詰まっての散歩 買物がてらの散歩

仕事終わりの 達成感かみしめ散歩

 

弾む足取り 前のめりのリード ウッキウキの瞳

 

 

文章にしたら分かる 私は異常に ON・OFFがヘタなんだ

 

散歩だ ご飯だ モフモフはどうだ と

誰か イイ感じに 私の仕事を ジャマしてくれないかなあ

先日 知人とランチに行って 犬迷いの話を聞いてもらった

 

  差別する気は無いんだけど たくさんの犬の中から

  わざわざ障害のある子を 選ぶ理由が分からない

 

優しく 感受性の強い 繊細な人だった

障害持ちの方に会うと どうしていいか 分からなくなるそうだ

ちなみにアザラシも 不自由そうに見えて 苦手だと言う

 

アザラシも? 笑ってしまった

 

私的には 障害持ちだからと 選ぶ理由もないけれど

障害持ちだからと 避ける理由も特にない

 

障害者というなら 身内 友人 社会 私の周りには普通にいる

あえて そんな括り方をしなくても 普通に一緒に 生きている

 

障害の有無にかかわらず

足りないとこは補い合って 余ってるとこは分け合って

求めたり諦めたりしながら 不完全な私たちは 生きている

 

そうだな 強いて言えば

私から たくさん何かを 受け取ってくれる子がいいな

 

施設でも どこのお家でも 楽しくてうれしくて

幸せ上手な子なら ウチに来なくても 大丈夫

 

ちょっと不器用で 自分で幸せになるのが ヘタクソな子とか

他者のチカラを 切実に必要としている子とか 来てくれないかな

 

だって私は どんな子だって 一緒に暮らせば

面白くて 可愛いくて 大変で 楽しいに決まってるんだから