「…という事で、鬼たちの強大な戦力と

未知の生物アルファを

手に入れた桃太郎は、某国の特殊部隊に

組み込まれ、表には出ない存在ながらも

影の実力者として、おじいさんやおばあさんと

幸せな人生を過ごしました。」


「ねぇ、おじぃちゃん。」


「ん?」


眠そうな声で、目の前の小さい子が聞いてくる。


「なんか僕の知っている桃太郎とは違うよ。

だって、桃太郎は、イヌやサルや…」


「そうか、そうか、そうだな。

しかし、この話は事実だよ。

あの戦いは、本当に大変だった。

しかし、鬼やアルファよりも、

本当に危険なものは、ニンゲンだ。

ヤツらは、必要のないモノまで食べ、

必要のないモノまで殺す。

全てが欲望の塊だ。

おぉ、眠ってしまったか。

可愛い寝顔だのう。

だから、お前を造った。

鬼たちの強靭な肉体とアルファの類まれな

戦闘力。

ニンゲン達を滅ぼすには、新たな種が必要だ。」