【詩】露命露命 物悲しい紺碧の月が 陰々たる赤黒い雨を 嬉々として降らせ続け 万象の穢れた加飾を 余さず溶かしていく 花々は色彩を捨て 木々は大地と別れ 人々は仮面を外し 国々は境界を壊し 神々は醜態を晒す 可視化された情念が 偽りの天まで逆巻き 内と外を隔てる蓋に 濃い清濁の穴隙を開け 覗く目が空を支配する 生きとし生けるものは 意味ありげな現し世が 矮小な見世物小屋と識り 菩薩の如く諦念を極め 輝く空虚な星空を仰ぐ