そもそも海馬という小さな器官の役割は、大脳に入ってきた情報を取捨選択し、記憶全体をつかさどるという重役である。海馬は、パソコンでいえば一時的なメモリーの役割。そして必要があれば、パソコンを終了する前にデータを保存するのと同じように、海馬もデータを大脳皮質に送って長期記憶として保存します。大脳皮質に長期記憶されたメモリーを呼び出すことが、思い出すという作業です。




そして近年の脳科学の研究によりその海馬と扁桃体がお互い影響し合っていることがわかりました。


扁桃体は、快・不快を区別する機能がありさらにその感情を海馬に伝えるのです。そのため、心を大きく揺さぶる出来事はいつまでも記憶として留められるわけです。→長期記憶になる。


図で表すとこんな感じのシステムになっています。(画像の大きさの影響により二分化しました)

photo:01


photo:02







つまり、扁桃体に快(好き)という感情が受信された時の方が海馬に記憶として送信されやすくなります。だから好きなことはすぐに覚えられ、嫌いや興味ないことは覚えにくいのです。しかし、命に関わる大きな不快(ショック)を体験してしまうとむしろ強く記憶に刻まれます。すなわちPTSD(心的外傷後ストレス障害)等になってしまう原因です。なので扁桃体をストレスに強くするための鍛え方を何個か挙げてみました。


・自然を感じ、空を見る


・感情を吐き出す


・鏡を見て笑う


・タンパク質を摂る


などがあります。ぜひ簡単なことなので試してみてください。




いずれにしても脳は人から言われて従うよりも、自発的に働くほうがはるかに能力を発揮します。己の本当の心を知り、脳を喜ばせることこそ、脳力開発の第一歩です。まだまだ脳科学のありとあらゆる研究は膨大にあります。今後の研究者の研究結果が楽しみです。

「なぜ恐怖をかんじるか」というテーマは今回で終わりにしたいと思います。次回の新たな疑問テーマ楽しみにしてて貰えると幸いです。ここまで読んで頂きありがとうございました。

築島。