5月1日(火)
『戦後日本は“植民地”
国力充実で真の独立を』
高須克弥氏インタビュー
八重山日報は、政治問題などに対する大胆発言で知られる高須クリニック院長、高須克弥氏に、このほど東京都内の同クリニックでインタビューし、高須氏から見た沖縄の現在について聞いた。高須氏は、戦後日本がいまだ“植民地”状態だと指摘し、真の独立を果たすため、国力の充実や憲法改正に取り組むべきとの考えを示した。
―現在の沖縄に対する印象はどうですか。
「台湾とともに中国の標的になっているので、何とか守らなくてはならないと思う。中国の自治州になることを喜ぶ県民がいるとは思わないが、同じような状況で僕が支援しているのがチベット亡命政府だ」
「中国のやり方は、まず住民運動を起こして内部で騒乱を起こさせ、経済的な支援を与え、インフラを整備したところに戦車や兵隊が来る。いつの間にか乗っ取られてしまうというパターンだ」
ー尖閣諸島に中国の脅威が迫っている。
「もともと日本の領土であることは古い文献から見て明確だ。しかし中国は都合よく既成事実を作ろうとする。韓国が実効支配している竹島のように、日本も自国の領土である尖閣に、自衛隊の基地を造ってはどうか」
ー周辺海域では、中国の船が定期的に領海侵犯している。
「日本政府は平和主義に毒されている。僕は、自衛隊には中国の空母『遼寧』くらいなら沈める力はあると思う。中国の陸軍はものすごい大軍だが、海に兵隊を運べなければ日本はびくともしない」
ー米軍基地問題をどう思いますか。
「自衛隊が普天間飛行場にいるなら話は簡単だ。米軍は同盟軍だが、実際は占領軍。戦後日本は独立国の格好をさせられているだけの植民地だ。だからと言って宗主国に戦いを挑むほど酷い目にあっているわけではない」
「実は戦後は終わっていない。米国と対等の条約を結んで、国連でも憲法が言うみたいに『名誉ある地位』を手に入れなくてはならないが、国連にはまだ敵国条項が残っている。日本は、いざとなれば国連を脱退してもいいくらいの国力をつけてほしい」(つづく)
『中国、演習で台湾「包囲」
圧力強化、実質変化狙う』
中国軍は4月中旬から台湾周辺で相次いで軍事演習を実施、演習で台湾を包囲した格好となった。中台の領土は不可分とする「一つの中国」の原則を認めない台湾の蔡英文政権に圧力をかけるにとどまらず、台湾を実質的に中国の一部に変えていく「国内化」の狙いもうかがえる。
軍事圧力をかける背景には、台湾の民主進歩党(民進党)政権のナンバー2、頼清徳行政院長(首相)が「私は台湾独立を主張する政治家だ」と公言したことや、米国が米台高官の相互訪問を促進する法律を成立させるなど米台接近が進むことへの警戒感がある。
中国軍は4月12日に台湾南方の南シナ海で過去最大規模の観艦式を挙行し、習近平国家主席も参加した。18日には西方の福建省泉州で実弾演習を実施。18~20日には北方の沖縄本島と宮古島の間を爆撃機などが西太平洋へ向けて飛行した。19~20日には空母「遼寧」の艦隊が南方のバシー海峡を通り、太平洋上で初の艦載機離着訓練を行い、東方から北方の浙江省山沖でも洋上演習を実施した。
中国は台湾の若者を修学や就職で優遇する「国内待遇化」を推進、低賃金が社会問題化している台湾の若者らを懐柔していく構えを見せている。張五岳淡江大准教授は、軍事面でも「台湾を国内化する意図がある」と指摘する。26日にも台湾の周りで戦闘機などを飛行させた中国空軍は「祖国防衛は人民空軍の神聖な使命だ」と強調。台湾を中国の一部として防衛するかのように振る舞い、台湾人の警戒感を失わせていく狙いもありそうだ。
最近、台湾で行われた世論調査では「中国が武力侵攻してきたら台湾軍は防衛する能力があるか」との質問に約65%が「自身がない」と回答。民進党内では軍事力を強化するべきだとの声も強まっている。
5月2日(水)
『沖縄の若者に期待する
自衛隊が誇り持てる国に』
高須克弥氏インタビュー
沖縄問題を熱く語る高須クリニックの高須克弥院長。話題は沖縄に対する中国の脅威と基地問題、憲法改正へ。
ー日本はもっと国力をつけ、真の独立を果たすべきだと。
「日本が真の独立をしようと思っているのに、そこに中国が入って来て、国を分裂させ、内乱を起こさせるような状況になってはいけない。本土と沖縄の人は心を一つにしてほしい」
「沖縄の人たちは意外と冷めているのではないか。沖縄メディアの報道は、本土に対して「沖縄の反対運動は盛り上がっている」と印象付けるプロパガンダだろう」
ー安倍晋三政権の沖縄政策をどう見ますか。
「沖縄県民の気持ちを尊重して一生懸命やっている。でも、お年寄りはネットを見ないし、毎日の新聞だけで情報を得る。新聞を何度も読むうちに自分の意見になってしまう」
ー沖縄県民へのメッセージは。
「メッセージと言われても、兄弟だから(笑)。メディアのプロパガンダを信じないでほしいし、僕を含めて偏った老人の言うことは、あまり信じないでほしい。沖縄の若者たちに期待する」
ー憲法改正をどう思いますか。
「まず1条を改正し、天皇陛下に元首になっていただきたい。9条は、自衛隊を日本の国軍にして、自国を守る戦闘行為を可能とするように書き換えてほしい。自衛隊員が誇りを持って暮らせるような世の中をつくるべき。安倍首相は、改憲した最初の首相になりたいのだろう」
5月3日(木)
『視点
期待される憲法改正議論』
自民党の改憲草案がまとまり、改憲がいよいよ現実味を帯びつつある中で迎える5月3日の憲法記念日である。米軍基地問題や尖閣諸島問題を抱え、日本の安全保障の「縮図」である沖縄から、改憲の潮流を巻き起こすことには大きな意義がある。
改憲の焦点は9条だ。3月の党大会で提示された自民党の改憲草案では、戦争放棄などを定めた9条1項と2項を維持しながら、9条の2を追加して、自衛隊を明記した。9条の2は、具体的には以下の内容だ。
「(1項)前条の規定は、我が国の平和と独立を守り、国及び国民の安全を保つために必要な自衛の措置をとることを妨げず、そのための実力組織として、法律の定めるところにより、内閣の首長たる内閣総理大臣を最高の指揮監督とする自衛隊を保持する」
「(2項)自衛隊の行動は、法律の定めるところにより、国会の承認その他の統制に服する」
自衛隊を憲法に明記する意義は確かに大きい。地上戦の惨禍を体験した沖縄では、戦後長い間、自衛隊を戦前の日本軍と同一視し、嫌悪する雰囲気が強かった。しかし復帰前後に生まれた新しい世代が社会の中核で活躍するようになった現在、自衛隊に対する偏見はほぼ解消されつつある。全国的にも一部メディアの世論調査では、自衛隊を「合憲」と答えた国民が7割を超えた。
ところが憲法の専門書などを読むと、自衛隊の「違憲論」が依然、有力な学説として掲載されている。「専門家」の間では自衛隊が合憲か違憲か、喧々諤々の議論が果てしなく続いている。こうした非現実的な事態に終止符を打つべきなのは当然だろう。自民党の改憲草案は最初の一歩を刻むものとして評価できる。
ただ、9条の真の課題は、戦力と交戦権の不保持を定めた2項にある、自衛隊の明記だけにこだわっていては「木を見て森を見ず」のそしりを免れない。
尖閣諸島周辺で領海侵犯を繰り返す中国、北方領土問題で対立するロシア、核や拉致問題がいまだ解決しない北朝鮮。日本周辺の軍事独裁国家は、軍事力を背景にした威圧を日本に加え続けている。日本は憲法の規定によって、同じ手段で対抗することを許されていないが、結果として米国の力を借りなければ、自分で自分の国を効果的に守ることもできなくなっている。
外交の切り札に軍事力が存在することは冷厳な事実であり、北朝鮮の核放棄を引き出したのも口先だけの説得ではなく、実力行使も辞さないという米国の決意だった。日本の進路を考える上で、憲法9条がどうあるべきか、国民的議論を喚起する必要があるだろう。
憲法は米国製とも揶揄され、使われている日本語のレベルに疑問が呈されることもあるが、感動的な文章もある。基本的人権は「人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であって、これらの権利は、過去幾多の試練に堪え、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである」というくだりだ。独裁や抑圧と戦ってきた人類の歴史を感じさせる一文だ。
平和主義、基本的人権の尊重、民主主義は次世代へ受け継ぐべき永久的な価値観であり、改憲は、そうした価値観を支える立憲体制を「長持ち」させるためのメンテナンスでもある。
5月4日(金)
『憲法施行71年
「9条」では国民守れない
平和構築へ自衛隊明記せよ』
南北首脳会談の成果が演出されようと、北朝鮮危機がどう展開するかは予断を許さない。その中でもはっきりしていることがある。北朝鮮の核・ミサイル戦力の脅威を取り除くうえで、憲法9条は無力だという点だ。
9条が国民を守っているのではない。北朝鮮危機がその証左であることに気づき、自らを守れる内容へと憲法を改めていかなければならない。第一歩となるのが、自衛隊の明記である。
日米両国をはじめとする国際社会は、厳しい経済制裁と軍事的圧力をかけて、北朝鮮に核・ミサイル戦力の放棄を迫っている。
【世界の現実直視したい】
その圧力に耐え切れず、金正恩朝鮮労働党委員長は微笑み戦術に転じた。平和を乱す自国の行動を反省したからではない。トランプ米大統領との首脳会談が、真の平和をもたらすかは不透明だ。
日米が「最大限の圧力」に努めてきた基礎には、集団的自衛権によって互いに守り合う強固な同盟関係がある。
日本には「9条信奉者」とも呼ぶべき政党やその支持者たちが存在する。だが、彼らが北朝鮮危機を乗り越えるために建設的な提言や問題提起をした話は寡聞にして知らない。9条を掲げ、北朝鮮を説得する動きもみられない。だんまりを決め込んでいるのか。
平和を守ろうと動いてきたのはむしろ、9条のもたらす制約や弊害に悩みながら、安全保障上の工夫をこらしてきた安倍晋三政権や自民党である。
安保関連法の眼目は、憲法解釈の変更で可能になった集団的自衛権の限定行使容認である。これに基づき、北朝鮮の危機を目の当たりにしても、日米同盟が機能しているのは幸いである。
自衛隊と米軍の共同訓練が増えている。「いざ鎌倉」の際に守り合う関係になったことは、米軍による北朝鮮への圧力を増すことに寄与している。
もし「集団的自衛権の限定行使は違憲だ」という「9条信奉者」の言い分に従えばどうなるか。日米同盟の対処力と抑止力は大幅に弱まり、北朝鮮は強面に戻るだろう。日本と世界の平和にとって、ゆゆしき事態である。
9条が、日本の安全保障政策と議論の水準を高めることを妨げてきた弊害の大きさも考えたい。9条には、はき違えた平和主義の源になった面が小さくない。
それは、軍事を正面から論ずることを忌避する風潮を助長してきた。日本の義務教育では、抑止力や同盟といった、安全保障の初歩的知識さえ教えていない。
自衛隊に関し、最近の国会では日報問題ばかりが取り上げられた。北朝鮮危機のさなか、何を真っ先に論じるべきかは自明だ。安全保障を実際に担う政府側との認識の「格差」を解消しなければ、日本の未来は危うい。
【安保論議の底上げ図れ】
「戦力の不保持」を定めた9条2項を削除し、軍の保持を認めることが9条改正のゴールである。だが、政治情勢を考えれば、一足飛びにはいかない。そこで、安倍首相が提案した自衛隊明記の方法を、自民党は改憲項目とした。
これが実現すれば、憲法学者の間の自衛隊違憲論に終止符を打つことができるが、どのほかにも大きな意義がある。
『安倍首相ビデオメッセージ全文』
安倍晋三首相が3日、都内で開いた集会に寄せたビデオメッセージの全文は次のとおり。
このたび「第20回公開憲法フォーラム」が盛大に開催されましたことに、まずもっておよろこびを申し上げます。改めて、憲法改正の早期実現に向けて、それぞれのお立場で精力的に活動されている皆さまに心から敬意を表します。
憲法はこの国のかたち、理想の姿を示すものです。21世紀の日本の理想の姿を私たち自身の手で描くという精神こそ、日本の未来を切り開いていくことにつながっていくと信じております。
言うまでもなく、現行憲法の「平和主義」「国民主権」そして「基本的人権の尊重」の基本原理が揺らぐことはありません。その一方で、私たちは時代の節目にあって、まさにどのような国づくりを進めていくのかという議論を深めるべきときに来ていると思います。
そうした思いから、私は昨年、この「公開憲法フォーラム」へのビデオメッセージにおいて、自民党総裁として一石を投じる気持ちでこう申し上げました。「いよいよ私たちが憲法改正に取り組むときが来た。憲法9条について自衛隊を明記すべきだ」
この発言を一つの契機として、この1年間で憲法改正の議論は大いに活性化し、そして具体化しました。私はそのことを大変喜ばしく思っております。
自由民主党においては安全保障にかかわる「自衛隊」、統治機構のあり方に関する「緊急事態」、1票の格差と地域の民意反映が問われる「合区解消・地方公共団体」、国家百年の計たる「教育充実」の4項目について大変議論が深まってまいりました。
私は毎年、防衛大学校の卒業式に出席し、陸海空の真新しい制服に身を包んだ任官したばかりの自衛官たちから「事に臨んでは危機を顧みず、身をもって責務の完遂に努め、もって国民の負託に応える」。この重い宣誓を最高指揮官、内閣総理大臣として受けております。そうです。彼らは国民を守るために、その命をかける。
しかし、残念ながら近年においても「自衛隊は合憲」と言い切る憲法学者は2割にとどまり、違憲論争が存在します。その結果、多くの教科書に合憲性に議論がある旨の記述があり、自衛官たちの子供たちもその教科書で勉強しなければなりません。皆さん、この状況のままでいいのでしょうか。
この状況に終止符を打つため、憲法に、わが国の独立と平和を守る自衛隊をしっかりと明記し、違憲論争に終止符を打たなければならない。それこそが今を生きる私たち政治家の、そして、自民党の責任です。敢然とその責任を果たし、新しい時代を切り開いていこうではありませんか。
憲法の専門家において、自衛隊違憲論が存在する最大の原因は、憲法にわが国の防衛に関する規定が全く存在しないことにあります。わが国の安全を守るため、命を賭して任務を遂行している者の存在を明文化することによって、その正統性が明確化されることは明らかです。そのことはわが国の安全の根幹にかかわることである、憲法改正の十分な理由になるものであると考えています。
いよいよ、私たちが憲法改正に取り組むときが来ました。主役は国民の皆さまです。憲法改正は国民の代表者たる国会議員が議論し、草案を作り発議する。そして、最終的に国民投票によって国民の皆さまのご理解、幅広い合意形成が必要です。その意味で、このフォーラムが果たす役割は極めて大きいと思います。皆さま方「民間憲法臨調」、「美しい日本の憲法をつくる国民の会」のこうした取り組みを大変心強く感じております。
憲法改正に向けて、共に頑張ってまいりましょう。