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【ゴミ人間】〜短期集中連載〜を読んで。12

勝手に応援企画!
映画『えんとつ町のプペル』を見る前に…。

ゴミ人間=日本一の嫌われ者だった西野亮廣が届ける
弱った心に効く言葉。

2020年12月18日発売!
新書では、大幅に加筆・修正を行っております。

ゴミ人間〜日本中から笑われた夢がある〜
著者・西野亮廣 出版・KADOKAWA

別冊カドカワ【総力特集】西野亮廣 (カドカワムック)


第12回目は、
映画制作が加速する2020年に全世界を襲ったコロナ禍で、
西野は何を思い、
そして決断したのか。
心の内の葛藤と、
こんな時代だからこそ、
新たに胸に刻んだ想いを明かします。



【新型コロナウイルス】

2020年2月。
連日、各局の情報番組が大きなクルーズ船を延々と映していました。
横浜港に入港したクルーズ船の乗客に新型コロナウイルスの陽性反応が確認された為、
乗客2666人、
乗員1045人
全員の下船が認められなかったのです。
この瞬間、
全ての日本人が、
海の向こうの問題と見積もっていた新型コロナウイルスを自分事として捉えました。

テレビに映るクルーズの姿に、
僕は何故か、
2011年9月11日のワールドトレードセンタービルの映像を重ねて観ていました。
世界がマズイ方向に進む臭いを嗅ぎ取っていたのかもしれません。

クルーズ船の船内では集団感染が起こり、
日を追うごとに数十人単位で感染者が増えていきます。
そんな中、日本政府は、
ウイルス検査で感染が確認されず、
症状が出ていない乗客の下船を許可。
SNSのタイムラインは
「大丈夫なのか?」
という声で埋まり、
コロナの被害者が、
野に放たれたゾンビのように扱われます。
テレビは、
「検査数」や「実効再生産数」は報じない。
毎日毎日、とり憑かれたように
「感染者数」と「累計感染者数」だけをひたすら唱え続け、
国民の不安を積み重ねていきます。

まもなく、薬局からトイレットペーパーが消え、
マスクをめぐって暴行事件が起き、
全国各地でコロナ患者の魔女狩りが始まりました。
コロナにかかってしまった有名人が謝罪を繰り返し、
それが皮肉にもコロナ差別を加速させます。
たった数週間で、
世界は黒い煙で覆われてしまいました。

あの日。
混乱していく世間を眺めながら、
たくさんのことを考えました。
僕が運営している
オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』
には、約7万人のメンバーが在籍していて、
その中には、
実店舗を経営しているメンバーもたくさんいます。
移動・外出が制限されたコロナ禍においての、
実店舗経営者の苦しみは想像に難くありません。

エンターテイメントを提供する僕の仕事は、
お客さんの安心・安全の上に成り立っているので、
何よりも、
お客さんの「衣食住」と「職」の確保が先決です。
すぐに会社のスタッフと会議を重ね、
サロンメンバーの現状を吸い上げて、
このあと起こりうる天災などのリスクをリストアップし、
対応にあたりました。
経営難に陥ったお店のフォローにあたり、
仕事を失ったサロンメンバーの雇用を探し、
コロナによって公共の救済システムが回っていない熊本の水害の復興に奔走する日々。

本当なら、
映画製作のことで埋まるはずのLINEのタイムラインには、
たくさんの友人、
スタッフ、
先輩後輩からのSOSで埋まります。
「クラウドファンディングに挑戦してみようと思うんだけど、どうやったらいいかな?」
「オンラインサロンを始めてみようと思うのですが、アドバイスいただけますか?」。
こんな連絡が、毎日、何十件も届きます。

正直に言います。
当時、
「クラウドファンディングの説明にしたって、オンラインサロンの説明にしたって、もう何年も何年も前から、僕は繰り返ししていたじゃないか。それを、あなた方はずっと否定していたじゃないか」
という気持ちはありました。
ただ、今更そんな言葉を口にしたところで、
何かが前に進むわけでもありません。
誰かが助かるわけでもありません。
行政は機能していませんし、
メディアは不安を煽るばかりで、
問題を解決するつもりはなさそう。

そんな中、
いつの間にか影響力を手にしている僕がいて、
ここで僕が動けば、少しでも救われる人がいます。
思うところは色々ありましたが、
そういった感情は奥の部屋に押し込んで、
全てのSOSに応えることを決めました。
それから、朝から翌朝まで対応に追われました。
2020年が、
これまでの人生で最も睡眠時間の短い一年であったことは確かです。
この数カ月で、目の下のクマが一際大きくなりました。

そんな中、
僕にはやらなくちゃいけないことがあります。
2020年12月25日に公開予定の
映画『えんとつ町のプペル』の製作です。


【この試練は何を意味しているのだろう?】

映画の製作途中も、
ひっきりなしにSOSの連絡が入ります。
長年連絡をとっていなかった友人からも
「助けてくれ」と。
長年連絡をとっていない友人に
「助けてくれ」
と言わなければいけない状況を想像すると、
無視できるわけがありません。
今の自分にできる救済処置を講じながら、
僕は、
「どうして、8年間準備を進めてきた映画『えんとつ町のプペル』の勝負の年に、こんな試練が与えられたのだろう?」
と考えました。
 
あんまりじゃないですか。
8年前にスタートして、
日本中からたくさん殴られて、
それでも負けずに筆を走らせ続けて、
ようやく仲間ができて、
ようやく回ってきた勝負のタイミングで、
100年に一度のウイルスに襲われるなんて、
あんまりじゃないですか。
ただ、ここまで見事に運が悪いと、
むしろ悲観的にはならないようで、
運が悪すぎたのが良かったのか、
「この試練には何か意味があるんだろうな」
と考える自分がいました。

僕はストーリーを書くときに、
物語の主人公の感情曲線から描いていくのですが、
2020年の僕ときたら、
「一人で立ち上がる→日本中から攻撃される→仲間に出会う→リベンジを図る→いけるかも→最恐の敵が現れる」
という少年漫画の王道を行くようなベッタベタな感情曲線。
他人に応援してもらう物語としては申し分ありません。
実際、オンラインサロン内の温度も、
コロナをキッカケに高まりました。
「頑張って」
「完成したら、必ず観に行きます」
「もう友達を誘っちゃったから、絶対に面白い映画を作れよ」。
コロナはたくさんの理不尽と同時に、
たくさんの応援を運んできてくれました。

製作途中に、
スタッフの中にコロナの陽性反応が出ようものなら、
製作が止まってしまいます。
すぐにリモートに切り替えましたが、
思うようにいかず、
コミュニケーションエラーが多発しました。
スタッフ間の衝突もありました。
以前のように、
細かくコミュニケーションをとっていれば避けられた問題です。
それがどうした?

プロモーションの一環で、
僕が10ヶ月かけて全国の映画館を回り、
映画『えんとつ町のプペル』のストーリーを喋るイベントを予定していました。
イベント終わりで、
映画の前売り券を販売することを目的としたドブ板営業です。
全国行脚のスケジュールが決まり、
いよいよスタートさせるというタイミングでコロナがやってきて、
全てが白紙になりました。
それがどうした?

映画『えんとつ町のプペル』の公開は、
ずっとずっと耐え凌いで、
ようやく漕ぎ着けたチャンスです。
もうとっくにたくさんの人の想いを背負っています。
走りたくても走れなくなってしまったスタッフの分も走っています。
負けるもんか。




コロナ禍の製作を強いられた映画『えんとつ町のプペル』のリーダーとして決めたことが二つあります。
一つ目は、
世界の誰よりも努力をすること。
二つ目は、
この先どんな問題が襲ってきても、
1ミリも言い訳をせず、
即座に対応すること。

とくにコロナ禍は、
理不尽なルール変更が多発する為、
リーダーが
「言い訳を正当化しやすい環境」
にあります。
「コロナだから仕方ない」といった。
僕は、
「それでも空を見上げること」を伝える映画『えんとつ町のプペル』の製作総指揮です。
「仕方ない」
なんて言葉、
死んでも吐くもんですか。

【緊急事態宣言の中で】

大きな決断をしたのは、
「緊急事態宣言」が出ていた5月の会議。
その頃、映画の宣伝会議では毎回、
コロナの状況が伝えられました。
落ち着く気配を見せない新型コロナウイルスに、
海外のメジャー作品が、
次々に公開延期を発表し、
年内公開作品が一つ、
また一つと減って行きます。
映画館に足を運ぶ人も、
すっかり減ってしまい、
映画産業の未来すら危ぶまれました。
映画『えんとつ町のプペル』は、
もともと2020年12月25日公開を予定していましたが、
さすがに、この状況です。
スタッフから、
「西野さん、公開時期、どうしましょう?」
という言葉がポツポツと出始めました。
「2021年以降に延期」
という選択肢もあったのです。

ですが、
スタッフから、そのパスを投げられた時(とき)の僕は、
コロナによって打ち砕かれた挑戦を、
その場にいた誰よりも近い距離で、
たくさんたくさん見ていました。
ドイツで飲食店を経営している大矢さんは、
ロックダウンした街の中で、
懸命に家族を守っていました。
ニューヨークでミュージカル制作を進めていた小野さんは、
ゴーストタウンと化したブロードウェイの真ん中で、
一人、ライブ配信をして、
涙ながらに
「諦めたくない」
と想いを語っていました。
人が消えた表参道の美容室も、
テナントが撤退し続けるショッピングモールのメガネ屋さんも、
あのアパレルブランドも、
あの靴屋さんも、
あの八百屋さんも、
皆、生き残りをかけて戦っていました。
ZOOMの画面越しに朝まで励まし合ったので、
よく知っています。

夢や希望を持ちづらくなった今は、
まさに、黒い煙に覆われた
「えんとつ町」で、
『えんとつ町のプペル』は、
そんな中でも、
諦めず、
空を見上げ続け、
挑戦することを選ぶ物語です。
その物語の作り手が、
自分だけ安全圏に移動するわけにはいきません。
「やればできる」
ということを自分の生き方で証明して、
はじめて、物語の中のセリフに説得力が生まれるというもの。
なので、スタッフに言いました。

「公開は延期せず、当初の予定通り、2020年12月25日にしましょう。苦労と理不尽は承知です。それら全てを受け入れて、僕らも、同じようにコロナと戦って、今、苦しんでいる人達の励みになりましょう。その姿勢がこの作品のメッセージですし、きっと、その方が応援してもらえると思います。いろいろ面倒をおかけしますが、最後まで宜しくお願いします」

えんとつ町は煙突だらけ。
そこかしこから煙が上がり、
頭の上はモックモク。
黒い煙でモックモク。
えんとつ町に住む人は、
青い空を知りません。
輝く星を知りません。

映画『えんとつ町のプペル』は、
頭の上を覆う黒い煙を晴らす物語です。
この物語が、
この物語を届ける僕らの姿勢が、
懸命に生き延びる人達への応援歌になり、
いつか、また晴れるといいな。

【個人的感想】
12話目。
夕方。
何気なくつけているテレビからの緊急速報はコロナウイルスの新規感染者の数を伝える緊急速報だ。

何がしたいんだ。
何が(前日より○人増)だ。

そっとテレビを消した。

Bridge Builderの、てつ the DIETでした。

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