RFアンプでゲルマラジオを鳴らす | お父にゃんの電子工作

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暇なおじさんが、電子工作(主にラジオ製作)をして勝手な感想を書く

おじさんの子供の頃は木造の一軒家に住んでいた。

その当時、部屋の中でアンテナ線を張り巡らせると、小さな音でゲルマラジオが鳴ってくれた。他にも電灯線や電話線に巻き付ける等でも、わずかながら鳴ってくれた記憶が有る。

 

そんな思いもあって、以前にラジオ少年から購入したゲルマラジオキット(KIT-4DXX)を組み立てて試したことが有る。(詳細はこの記事を参照。)

今はマンション住まいのおじさんの家では、ベランダに線を張ったくらいではゲルマラジオはほとんど鳴ってくれなかったのである。世の中には屋外に長いアンテナ線を張って、ゲルマラジオでスピーカーを鳴らす強者もいらっしゃるいので、ちょっとうらやましいのである。

 

こんなおじさんの家でも、RFアンプをつなげればベランダに線を張って、ゲルマラジオが元気よく鳴らせるかもしれない。思いついたら、試してみなければならないのである。

 

まずはゲルマラジオの製作。

ゲルマラジオとしての性能は、ある程度は確保したい。以前にラジオ少年から購入したゲルマラジオキット(KIT-4DXX)で使っていたエア・バリコンと、バーアンテナを組み合わせる。

キットに付属していた空芯コイルじゃなく、バーアンテナにするのは、バーアンテナの方が良い結果が得られるらしい、というのをどこかで見た記憶があるからなのだが、おじさんの記憶なのであてにならない。
 
エア・バリコンは290pFと120pFの2連タイプで、今回は290pFの方だけ使う。
290pFの場合、適合するバーアンテナのインダクタンスはおおよそ305uHとなる
 
で、今回はこちらのバーアンテナを使うことにした。
 
回路図はこちら。
簡単に組み上げた
 
一旦、このゲルマラジオの状態でベランダにアンテナ線を張って聞いてみる。
いろいろと試してみたのだが、今回は前より感度良く鳴ってくれた。
バーアンテナの方が、空芯コイルより良いというのは本当だったのかも。
 
アンテナはベランダに張った8mくらいの線で、アースはベランダの水道の蛇口に繋いだ時が一番良くて、NHK第一と民放の2局が、割とはっきりとした音声で聞こえるではないか。
なんだ、ちゃんと鳴るならRFアンプ要らないじゃん。
 
そうは思ったが、まぁ、せっかくなのでいろいろ試してみることにする。
 
 
RFアンプは、5V駆動にして少しでもゲインを上げてみる。
1つ目は抵抗負荷。LT-Spiceで、値を変えて良さそうな値にする。
この回路で36dBくらい
 
2つ目はインダクタ負荷
AMラジオようにインダクタを大き目の物にしてだいたい49dBくらい
 
まぁ、どちらもシミュレーションなので、実際とは特性が大きく違ったりするのだが、目安くらいに考えておく。
 
それぞれの回路図はこちら
比較しやすいように、ブレッドボードに2つの回路を載せておく。
ベランダに出て、2mくらいの線につなげて聞いてみる。
こんな感じ↓
 
抵抗負荷の方で1mくらいの線をアンテナとしてベランダで伸ばしてみる。
おお、音は小さいが、貧弱なアンテナでもちゃんと聞こえるではないか。
明らかな効果を感じる。
 
次にインダクタ負荷の回路にしてみる。
今度は発振気味で調子悪い。インダクタの値を小さくしても傾向は変わらず。
RFアンプには不向きなようだ。
 
ふと、回路の前後を入れ替えて、同調回路側に普通に高周波増幅としたらどうか気になった。
ブレッドボードなのですぐに確かめられる。
 
回路図にするとこんな感じ。
音は小さいが、バーアンテナだけで聞こえる。まぁ、そうだよね。
トランジスタ1個だけなら普通に高周波増幅にする方が良い結果が得られる。
 
ああ、なんか疲れたけど、妙に納得してしまった。
 
 
「おいらを愛でて、疲れをいやすのニャ」