流れ星に願いを -2ページ目

流れ星に願いを

流れ星に願いを唱えると叶うんだって。
でも、いつ流れるか分からない流れ星に願いを唱えるには、
常にそれを心の中に持っていないといけない。
常に願いを持っていると、
人はそれに向かって行動するように出来てるんだって。
だから願いは叶います。

14歳、明日の時間割 鈴木るりか 小学館 2018年

 

 先日、著者の記事が載ったのを見て、そういえばこんな本があったなぁと思い、図書館で予約。デビュー作(さようなら田中さん)とともに借りたのだが、自宅に帰えると「その本うちにあるよ」と言われた。まったく覚えていない。いや、そういえば買ったかもしれない。そういえば、「中学生作家デビュー」と話題になっていて、2冊目が出るよというのでポチッとしたような気がする。でもその当時は他にもいろいろ買い過ぎて、そのまま本棚に並べていたのだろう。とにかく、読んだ覚えがなかった。

 

 読み始めた第一印象は、とにかく文章のテンポがいい。中学生作家だからということではなく、大人でもこんなテンポのいい描写、ウイットに富んだ表現をするのか。特に最初に出てくるお父さんの描写が思わず吹き出してしまうくらいリアルに映像が浮かんでくる。読み進めていくと、程よい区切り、「時間割」という構成で話題が変わる。でも何か伏線が張られていて、次が気になる。読みやすいし、内容もとてもおもしろい。

 主人公は各時間割ごとに変わるのだが、一貫して登場する人物もいる。それが中学校のあるクラスの日常を思い浮かばせる。読み手の年齢によってリアルに感じたり、懐かしく感じたりするだろう。私は、「今の中学生はこんな感じなのか」という思いで読んでいた。

 ストーリーはノンフィクションなのかフィクションなのかわからなくなる。いや、名前こそ仮名だろうが、実際の体験、中学生の「ある1日」に違いない、と勝手に思い込む。2回ほど出てくる小説家志望の先生も、「絶対こんな人いるよね」とリアルに頭に思い描いてしまう。その人が実在してこの本を手にとったら、どんな反応するのか見てみたい。

 

 ちょっと行き詰まってきたので、デビュー作(さようなら、田中さん)の方も少し読んでみた。短編集のようだが、小学生の時の大賞受賞作と書いてある。おもしろい、これが小学生の文章か?こんな言い回し、大人の私にも出来ない。いやそれは当然だろ。「私にも」じゃなく「私には」が正しい。この文章を書いている私は、「14歳、〜」の最初に出てくるお父さんより語彙力がないかもしれない。本は結構読んでいる方なんだけど・・・。

 

 当時は話題になっていたが、ちょっと落ち着いてきた今だからこそ読んで欲しいと思う。本当にハートウオーミングで大人でも中学生でも楽しめると思う。

 2021/6/23