キネマの神様 原田マハ 文春文庫 2011年
なんでだろう、急に読みたくなって図書館に予約を入れていたのに、忘れてしまっていた。2021年6月1日緊急事態宣言の延長とともに、図書館の予約の貸し出しが再開され、「予約資料がご用意できました」というメールが届いた。そのうちの1冊がこの本だ。
マハさんの本は数冊家にある。でもなぜかこの本は読んでいなかったのだ。ただ、この長く続くコロナ禍で本の置き場所がなくなり、図書館で借りることを思いついたのだ。
10年以上も前の本にもかかわらず、流石に人気があって、すぐには借りられなかった。
マハさんの描写が好きだ。なんの予備知識もなく「この本に出てくる映画は本当にあるのだろうか。いや、本当にあるだろう、観てみたいなあ」と思いながら読み進めていた。そういえば最近、映画館にほとんど行っていないなあ、DVDも借りてないけど。T Vのロードショーも録画してそのままだし、何を録っていたのかも覚えていない。そのくせ、サウンドバーやサラウンドスピーカーを雑誌で見ては、購入するか数年間悩み続けている。今年の初めに観た映画もそんなに大きな劇場ではなかった。昔のように大迫力で観る映画の印象が薄れている。この本を読んで映画館の大きなスクリーンでどっぷりその別世界に浸りたいと思った。
この本の世界も、どっぷり引き込まれて毎日空いた時間を見つけては読み進めていた。読み始めると仕事の時間までにキリのいいところまで読み進められるか焦る。次の展開が気になると仕事に戻って少しの間、余韻に浸る日々だった。サクセスストーリーのようでありつつ、ハートウォーミングなストーリー展開がマハさんらしく、ワクワクドキドキしながら、でも読み終わった時の爽快感は本当に一編の映画を観たようだった。
何の気なしに見たウェブ記事にこの本の映画が公開されると載っていた。なるほどね、だからこの本の予約を入れていたのか。でもこのストーリーが実写になったらどうなんだろう。自分の頭に描いていたものとギャップが大きければ残念だから観ないだろうな。
最後の片桐はいりさんの解説まで描写が美しい。この本はやっぱり手元に置いておきたいと思う1冊だ。
2021/6/12
