ドイツビルト紙によれば,ユーロ2024の試合を放送するドイツのストリーミングサービス「マゼンタTV」は、クリミア半島がウクライナ領としてマークされていない地図を表示した。その後、番組司会者は謝罪した,という(2024年6月19日)。

 このマークされないという事件は,何を意味するのだろうか。

 メルケル元ドイツ首相が主張したように,クリミア併合をどうしても認められないのであろう。何かの利権があるとしか考えられない。すでに2014年7月17日,マレーシア航空機MH17がドネツク上空でウクライナ軍によって撃墜された。マイダン反乱によってキエフ政府はネオ・ナチによって蹂躙されていた。ヤヌコビッチ大統領はロシヤに亡命し,議会はネオ・ナチが支配するようになりヤヌコビッチ大統領派の議員は暗殺されるか射殺されていた。

 そういう一連の流れを見て来たウクライナ人やドイツ人がクリミアをウクライナ領とすることにタメライが生じたのであろう。キエフ軍によってドンバス地方の国民や兵士が殺され,クリミア半島はキエフからの砲弾の雨が降っていた。クリミアに平穏あれ。地図上にキエフ領でないことを示すマークが示されて当然であろう。しかし,戦局がいよいよキエフ軍敗北の色が濃くなって来たばかりでなく,ゼレンスキー大統領の任期は5月20日で切れ,正当に選挙された大統領はヤヌコビッチ氏ただ一人となった。