Rt.comによれば,ウクライナでは大統領選は行われず,ゼレンスキーが大統領のまま独裁政権が永久に続くという。つまり議会が彼の独裁を許す法案を通したという。とすると民主的でない政権を日本は応援していることになる。そればかりではない。6千億円規模の資金を提供するばかりでなく,日本政府は世界銀行と組んで借金1.8兆ドルの保証をするという契約にも調印している。

 自公政権の「今だけ,自分だけ,仲間内だけ」の予算も問題だが,ウクライナ支援は野放図に膨らんでいく一方で,日本国民は増税と社会保険料の値上げによって益々貧困化していく。赤字企業でもインボイスにより税金を払わなければならないという。そんな馬鹿な。

 

 いわゆる日本弱体化装置がウクライナ支援によって強力に作動し始めたわけだがその結果は日本人民のさらなる貧困化を推し進めるだろう。さらに人口減少によって自衛隊員のなり手が少なくなる。他方で比日米韓の軍事同盟によって武器の共同開発や合同訓練や軍事演習が盛んにおこなわれ,益々の兵士が必要となるから,「徴兵」の必要が出てくる。円安で物価が上がり子どもが持てなくなるから少子化はさらに進む。大企業の社員の出生数は増えるか現状維持であろうが,一般庶民の少子化はさらに進むから兵隊の徴用はままならぬものになるだろう。

 さてそこで本題に入ると,ウクライナで起こったよう日本にもロシヤが攻め込んでくるかもしれない。中国も攻め込んでくるかもしれない。とすると日本は本土を守り切れるのであろうか。

 フィリピン(比)は毎年台風に襲われ中国からの防衛に追われまくっているが,いわゆる「ウクライナ化」は生じるのであろうか。つまりフィリピンへ中国軍が出ていくのであろうか。それは信じられない。そうではなくて離島や領海の所有権を巡って小さな利権争いが生じるだけであろう。すなわち利権だけでもって本格的な戦争が生じるわけではない。

 

日本のウクライナ化

 日本のウクライナ化はあり得るのか。ロシヤは日本に攻めて来るのであろうか。来るかもしれない。しかしロシヤから石油・天然ガスやカニなどの海産物を買う日本をロシヤがウクライナのように攻め入って得することがあるのであろうか。

 しかも歴史的に,ウクライナと日本とはロシヤとの関係がまるっきり異なる。日本語はウクライナでほとんど通じない。しかしロシヤ語はまだ十分に通じる。ロシヤ発祥の地がキエフにあるという歴史観に立てば,ウクライナとロシヤとは兄弟関係である。しかしながら日本はロシヤと兄弟関係にない。単に隣国であるから友好を深めなければならないという立場にあるだけで,ロシヤ軍が何もしない日本に攻めて来る利益はない。

 中国も同じで,中国とは日中友好条約を結んでいる。中国が日本に対して発砲していないことは明らかであるにもかかわらず,南西諸島や沖縄諸島に中国向けミサイル基地を建設するというのは理解不能である。その意味でうるま市民とうるま市が米国主導のミサイル基地建設を拒否したことは理解できる。

 

外敵を仮想するな!

 日本の外敵を仮想したり想定したりすることによる利益は何だろうか。われわれ日本人の多くは,中国やロシヤから石油や天然ガスあるいは漁業資源を買い加工貿易で経済を活性化している。それなのに中露を敵視するのは昔,英米を鬼畜米英と称したように間違いである。また中露はマッハ15(音速の15倍以上の速さ)のトマホーク・ミサイルをもつが,自衛隊のミサイルはマッハ5が最高である。340m×5=1700mに対して340m×15はわが自衛隊の10と5倍の速さである。10倍は秒速17kmであり秒速5倍は1700mであるから足し算して秒速18.7kmの速さをもつ中露の超音速ミサイル。ロシヤはマッハ27だそうだからトマホークの遅いことは言うまでもない。このような遅速なミサイルを嘉手納や岩国や石垣島あるいは種子島に作って何の得かあらん。

 相手にならない速さのミサイルをもつ中露を相手にするのは馬鹿である。それよりも平和外交でお互いの絆を強く結んだ方がいい。本日の孫崎享氏の情報ではサンクトペテルブルグに日本の技術で高層タワービルが建つそうである。高層ビルが全くいいとは言わないが平和な経済的寄与であろう。しかし小生のような本好きはモスコーやレニングラードやノボシビルスクやハバロスクやウラジオストクに図書館を送ったり大学の口座を贈った利する方が双方の利益になるのではなかろう。

 台湾地区に対しても日本研究のための講座を台湾大学に贈ることの方が,日本の安全と国際交流に役立つのではないだろうか。あるいは鳥インフルエンザ研究所を共同運営するなどの方が地域の経済を活性化する上で大事な活動ではないだろうか。すなわち仮想敵国を想定するより平和交流を促進することが日本にとって最優先課題ではないだろうか。皆さんのご意見を賜りたいと思う。

随想⑱国際的挑戦を続ける日本の設計者集団:サンクトペテルブルク・ネヴァ川面に「ガス・プロム」社屋を国際コンペで受注。

 

 バリ島にて:

インドよりもインドらしいのがバリ島である

 

追記:ウクライナでは3月31日に大統領選挙が予定されていたが、ゼレンスキー大統領は戒厳令とロシアとの紛争を理由に、2023年12月の他のすべての選挙とともに大統領選挙を中止した。同氏はまた、戒厳令が発効している限り、大統領や議会の新たな選挙は実施しないとも当時発表した。この動きにより、実質的に彼の任期は無期限に延長された。