学歴詐称問題の解決と検察による不作為
南東アジアに暮らす
2019年霜月のころ,小生は新疆ウィグル自治区に2週間ほど滞在し,イギリス特にBBCによって人権侵害があると言われたカシュガルに遊んだ。他方で逮捕された某大手商社の社員(駐中国)のことが念頭にあってスパイ容疑で逮捕されるかもしれないという恐れがあったが,いつまでも生きられた人生ではないと考え,思い切ってカシュガルを再訪した。荷物検査は日本と同じく若い担当者によって厳しく行われていた。テロリストの入国検査を厳しくしていたものと推測される。しかしなぜか年寄りの小生は空港でとまどっていたところ,突如うら若き女性が現れて小生を搭乗口まで案内してくれた。感謝。ウィグル語が全くできないので有難かった。
40年前に訪れたときは日本語案内者を雇っていたので安心だったが今回はかなり不安であった。しかしBBCやBloombergが批判するような強制収容所はなかった。もちろん行動範囲は狭いからどこにもなかったとは言うことが出来ない。しかしBBCが収容所があるという場所の上空をパイロットが飛んでくれたお陰でその形跡がみじんもないことを確認した。一種のスパイ行為をしたわけだが,Youtubeで流された映像が偽物であったことを知ったことは大きな収穫であった。また別な映像では新疆の子どもたちがかき集められてシーア派からスンニ-派に改宗されたばかりでなく,新疆の教育委員会高官までもが教科書を編纂して子どもたちをイスラム戦士とする教育に手を貸していた。
そのような事実を知らずただ再訪-シシカバブとナンと麺を食べる-だけのためにカシュガル行きを計画し,テロ行為があったか新疆ウィグル自治区を訪れた。
確かにテロ事件のお陰で警察や公安の動きは目立ったが,人々は優しく親切であった。ただ10年以上もテロ教育が行われたカシュガルや烏魯木斉で人々には暗い影が落ちていた。しかし明るい面もなかったわけではない。女性の雇用が進みホテルに入るにも警備員が居て日夜われわれの手荷物を検査していた。街を見回る7,8人の集団も見かけた。とすると単に警備だけでなく貧困対策でもあったということが理解できた。特に女性が遠い都会に出稼ぎに行く必要がなくなった。雇用が現地で生まれたのである。これは日本と逆である。地方は廃れ,女性や若い人は就職を求めて都会を目指す。そうして非正規となりライド・シェライングのタクシ-を利用したりする。
小生は昔,イギリス領事館があった近くに宿をとった。その面影は無くなっていて新しいホテル(5つ星)が複数建っていた。しかし民族舞踊とその舞台をみて30年前を思い出した。つまり円形の舞台は舞台は道路のロ-タリ-であった。そこからパキスタン方面とキリギス方面に道が分かれていた。西部開発の波はカシュガルにも及び町の半分以上は昔の佇まいを一変させた。しかしそこには伝統を残そうとするカシュガル人の抵抗を感じた。他方で銀杏並木や神宮前の並木道脇の樹木を伐採しようとする東京都知事や官僚や建設会社幹部に「伝統」という字の面影はない。
学歴詐称問題と関西学院大学中退
閑話休題。4年ごとの間欠泉のごとく噴き出るコイケ学歴詐称問題。安部晋三も成城大学の恩師によれば卒業必修単位がとれてもいないにも関わらず卒業できたという。小生に確かめる方法はないがカイロ大学卒でないかどうかについてははっきりと言える。
ス-ル-海と南シナ海の近くの孤島に住んでいた小生は,2020年6月以降だったと思うが,ヨルダン大学生とリビアからの留学生(大学院生)と知り合いになり,学歴詐称問題を彼らに紹介したことがある。新疆から帰った2020年,コロナのPCR検査を受けたくなかった小生は機を見ていたのだが,治験期間があまりにも短い,得体のしれないワクチンを接種したくなかった。スールー王国一帯ではPfizer、ビオンテックに加えて中国製のワクチンが接種可能で日本のPfizer・ビオンテックだけではなかった。
それはさておき,このワクチン接種騒動の間に持ち上がった学歴訴訟問題を解決すべく,小池都知事が某テレビ局に示したという❶卒業証書と❷卒業証明書の真贋を尋ねた。彼等によれば,証書に限らずちょっとしたお店で買い物をしたときスタンプ印が押された領収書らしき紙が手渡される。彼らによれば,スタンプ㊞が無ければそれは偽物であるという。すなわち❶の証書にスタンプ㊞がないからこれは偽物であると,三人は異口同音に主張した。またアラビア語を読むことが出来る彼女は成績が「中」であるという(少々不思議な顔をして)。ピン止めの証紙も変だという。しかし日本のSNSが言わないことも教えてくれた。カイロ大学にも❸名士年鑑(名士録)があるはずだという。そこで4人でカイロ大学の名士年鑑を調べたがコイケの名前は発見できなかった。名士年鑑はそのダイクがを出て社会的に目立って活躍している,あるいは著名な人を紹介した冊子である。東京都知事であるならかなりの有名人であるから載っているはずだと彼らは主張した。しかし載っていないから,彼女はカイロ大学を卒業していないということになる。
学歴詐称と学歴詐称隠蔽工作
卒業証書が本物でないなら授業に出ていたとか,その住所に本当に住んでいたかどうかなどの「実態」以前の話である。小島敏郎氏は学歴詐称を告発された方だが,彼には二つの論点がある。一つは
学歴詐称問題そのもの,もう一つは学歴詐称を隠蔽しようとしたことであり,前者は時効であるが後者の時効はまだ来ていないということである。裏金問題で後ろ盾が居なくなった小池氏に対して東京地検がどう動くは今後の見世物として楽しみであろう。
追記:世界史履修問題という高校学歴詐称について
年代がハッキリしないが,50台から60代を含む高校世界史未習事件がある。高校の世界史は卒業必修科目である。世界史が日本の将来を背負う日本人にとって必要不可欠であろうという理由で選択科目から必修課目になった経緯がある。しかし世界史にかける時間は他の教科より学習時間が長いという欠点があるから,大学進学には「不利」ということで履修する生徒は少ないらしい。そうして行き付いた先は,履修したことにしようとする暗黙の合意であり,教員の側にも学習指導要領指導違反が生じた事件である。
それが発覚して大学で補習したようだが,高校卒業証書を得るためには単位不足であってはいけない。しかしそれを暗黙に無視して高校長は卒業証書を手渡した。そこで大学へ進学しなかった生徒はどうなるのか分からないが東大法学部を出た官僚にも未履修卒業の生徒が少なからずいる。これで予算編成をされては困る。。。❍〇大困る。それとも学歴詐称は日本の伝統なのかもしれない。