間欠泉のように噴き出すコイケ学歴詐称問題にケリが尽きそうである。というのも本日,弁護士の小島敏郎氏が東京地検に小池百合子氏を「学歴詐称」ではなくて文書を偽造したことを隠蔽しようとした罪で告発したようだ。

 学歴詐称は公職選挙法違反であり,時効は3年であることは知られているが,現在前回の選挙から4年がたっている。よって公選法違反で小池氏を告発できない。できるのは小島氏が告発したように「文書偽造を隠蔽しようとした」罪である。

 毎日新聞は2020年6月にコイケの学歴詐称問題で2つの証書に注目していた。『女帝』に書かれている内容や「実態」の問題ではなくて,もちろんそれそれなりに告発の重要な一翼を担うが,話が長くなり容量が得られない。コイケにとっていろいろ言われても反論できるものである。例えば「首席で卒業した」と自著に書いたとしても人の歓心を買うために嘘と知りながら本に「首席」と書き込んだと弁明すれば後の質問が続かない。また1973年に落第したと書いたが実際は72年に入学して76年に卒業したと言ってもこれまた縁起のいい年度を選んだと言った反論もできなくはない。

 したがって一般に卒業したかどうかは卒業証書で確認するのが一般的であろう。安部晋三の恩師(成城大学)は「安部君は必修単位をとらないで卒業した」旨の発言をしているが,卒業証書があれば,卒業したことになるだろう。なければ疑問は残る。

 そこで小池がフジTVに示したという実物のコピー写真をみるにスタンプ㊞がないので彼女の卒業証書は偽物だということが判る。毎日新聞は学籍番号がないとか学長の署名がないとかいろいろな点を列挙しているが,一般の高卒であっても40年も50年も前の出席実態を証明せよと言われても難しいのではないだろうか。教員も事務員もそして同級生も生きていない可能性が高い。また必修の高校世界史をとらないで卒業し,大学でとらなかった分の補習を受けてようやく高卒が認定された,全国的な事件もあった。高3の卒業式には出てはいけない人が出ていた例である。それを今さら・・・「補習で単位取得と見なす」というのも一種の学歴詐称であろう。

 

アラブ世界のスタンプ㊞

 アラブ世界での卒業はどうなっているのであろうか。アラブの大学では最低限,卒業証書と卒業証明書の二つがあれば一般に「卒業した」と見なされるのである。但し,両方の証書にスタンプ㊞があることが必須条件であろう。片方にしかない証書は無効である。

 そこでコイケがフジTVに示した2つの証書❶と❷のコピーをみるに片方にしかスタンプ㊞がない。したがってコイケは公的には卒業していないことになる。しかしこれは時効が来ているので罪には問えない。問える可能性があるのは小島氏が指摘しているように「学歴詐称を隠蔽しようとした一連の工作」である。

 コイケが将来大臣になったとき特に首相になった時,彼女の行動がエジプトや他の外国の考えに従わざるを得ないという問題が生じる。政府ODAとしてエジプトに都から300億円が出費されることになっている点を心配する向きがあるように,日本政府ではなく一地方自治体に過ぎない都知事がエジプトの政治状況に従わざるを得ないという状況が出てきている。東京都民の意思とは無関係である。都の金でパトリオットをエジプトに無償援助といった事態が生じかねない,つまり,外交は国の問題なのに一地方自治体が日本国政府とは別の政策で動くということは統治機能が破断されていると言って良いだろう。

 姉妹都市提携までするなとは言わないが,場合によっては国と同じ仕事をせざるを得ないという事態は避けなければならないと考える。外国人の持ち株が制限されたり,政治家への寄付が外国人に禁止されたりしているように,過度に外国勢力が日本の内政に干渉できない仕組みがあることをわれわれは理解しなければならない。

 話を戻せば,小池の学歴詐称は明らかになったが現時点では罪には問えない。問えるのは隠ぺい工作の罪である。