専門学校で知り合った岩ちゃんは、付き合えば付き合うほど
「俺たちが一番強いんだぁ!」
と勘違いしてしまう、そんな不思議な魅力を持っている人でした。
10代後半、20代前半の男の子は、誰でも
「俺が世の中で一番偉い」とか「一番ケンカ強い」
とか思っているものです。
僕は典型的なそういう人だったと思います。
そういう心構えや身なりをしていると、そういう連中が近寄ってくるものです。
元来ケンカが嫌いな僕は、そういう人たちを近づけない方法はないかと考えました。
そして僕が考えだした方法は
そういう人たちよりも怖い風貌になることでした。
黒ずくめの洋服に丸坊主でサングラス。
ケンカになったら負けないように筋トレばかりしている。
そんなイキがっている時期が、僕の18歳~20歳。
世間知らずで、怖いもの知らず。
いまでは怖くてできませんが
男の子ならそういう時期は誰にでもあるんじゃないでしょうか。
いま18歳~20歳の頃の自分を振り返ると
つくづく弱い男だったなと思います。
きっと僕の知らないところで
色々な他人に嫌な思いをさせたこともあったでしょう。
勉強の大きな収穫物の1つに
他人の気持ちが分かるようになれたこと
分からないとしても
分かろうとしてあげることが出来るようになったことがあります。
勉強をする前までは
すべて自分中心で
他人の気持ちなんて考えたことがなかったんだろうと思います。
大学を卒業する頃だったと思います。
自分の部屋を掃除していると
むかし大切にしていたものや
その当時の写真などが出てきました。
そのとき自分は完全に変わった!
昔のような弱い自分から完全に生まれ変わったと思いました。
そして、もうあの頃のような自分には戻りたくないと心に誓いました。
僕の10代、20代を知っている人にお会いすると
「なんか人が変わっちゃったね!」
「むかしと表情が全然違うね!」
と言われます。
そう言われると勉強してきて本当に良かったなと思います。
つづく