昨日の夜、いつものように文章を書いていた私のもとに香港の友人から連絡がありました。彼はいつもメールやスカイプで最新情報を教えてくれるのです。私の大切な友人であり、情報源でもあります。
 彼からの情報は
「北京でナイフを持った男が周りにいる人を次々と刺し、2人が死亡、12人が負傷」
というものです。出所が新華社電で、17日の夜に発生しました。今朝調べましたら、犯人はすでに逮捕されていて、名前は張健飛(46)、吉林省の住民だと言います。今、北京では取材規制が敷かれているそうです。
 北京の警戒について、私の元に最新の情報が入っています。北京市公安局は、9月15日から無戦争状態下の最高級警備体制を取ると発表し、北京市に出入りする人と車両、部品に対して厳しいチェックを行っています。また、鳩や凧なども含めて全行政区はすべての飛行物が禁止されています。北京を囲む河北、天津、山西、内モンゴルなどの6省についても、首都を保護する「護城河」プロジェクトを起動して、首都の安全のための準備ができているそうです。今回の60周年では中国の「陸、海、空」をすべて網羅して北京の安全を保護するという、ある意味で行きすぎた対応です。ここまでの警戒は、却って政権の没落と危機感を感じさせています。

 事件について、チャイナウォッチャーとして予想しますと、中国政府としては被害者の数よりも犯人の動機がなんであるかが問題だと思います。動機が中国政府への反発心、つまり、建国60周年という大イベントに反発する意味であるならば、中国政府としてはまずいわけです。
 どうまずいのか。これに触発されて行動を起こす人たちがいるかもしれないからです。大イベントの時にデモが起きるなんてことは、中国政府からしたら「面子丸つぶれ」になってしまうのです。
 みなさん、ご存じの通り、中国は面子とお金の国です。
死銭というものがあるように死後の世界でもお金が一番ですし、信頼の裏にはお金がないといけません。信頼がありませんので、中国にはローンという日本では当たり前のビジネスさえ、確立していません。それに、ホテルのチェックインは、日本はキーを返して終わりですが、中国は多くの場合、フロントから客室係に電話で客室をチェックするように言って、何も盗まれていないか確認します。信頼というモノがまだ根づいていないのです。信頼の話は置いておいて・・・中国にとって面子丸つぶれはなんとしても避けたいのです。
 話は変わりますが、私は北京オリンピックの時、こんな話をしていました。「開会式を平和主義国家すべてが欠席すると表明すれば、中国はオリンピックをやらないと言い出すはずだ」
せっかく計画した開会式やVIPルームを空っぽにされるならば、やらないほうがマシだ!と言い出しますよ、ということです。それほどまでに中国は面子が大事なのです。
 だから、今回の60周年には140万人もの治安ボランティアを集めて、天安門の公開を休止して、直訴制度を廃止したのです。
中国も必死なんです。経済成長率も落ち着いてしまいましたし、来年の上海オリンピックが終われば、なにもないわけですから。
 一つだけあるとすれば、地球がひっくり返ったのかわかりませんが、奇跡的にも上海にディズニーランドができます。この上海ディズニーランドは本家のディズニーランドを変更せずにそのまま持ってきた日本とは違い、中国に合ったスタイルにすると言っていますし、マナーの悪い中国の富裕層が大量に来場することを考えると、世界で一番人気のないディズニーランドになると私を含め、多くの専門家が予想してます。ただ、香港ディズニーランドに来ていたマナーの悪い大陸富裕層が香港に来なくなるかもしれないというのはうれしい限りです。お金持ちの彼らのせいで、どれくらいの損失を香港が被ったか・・・。ちなみに、香港は今後、ディズニーランドを拡大していくそうです。
 今回の事件を発端に中国は計画色を一層強めると思われます。ここまで来ると、戒厳令がしかれたような状態にするかもしれないです。何か起これば、「10.1 天安門事件」になってしまいますからね。もし、デモが発生すれば、60周年のイベントには戦車や新型ミサイルが登場する軍事パレードがありますから、それらを使ってすぐに弾圧するかもしれません。
 
みなさんも、注目していてください。