私は、國語(一般的に中國語/マンダリン)を三年間ほど學習している。國語を學んでいる以上、中國の文化やいろいろな意味での「良い点」「悪い点」を見なければならない。見てきた中には、翡翠のように美しく、深見のある文化もあるが、「疑問を持たざるを得ない部分」もいくつかある。その「疑問を持たざるを得ない部分」の一つに「映画」が挙げられる。

 

 皆さんは中國の大陸映画と言われて名作をすぐに答えられるだろうか?

大陸映画を好きでない限り、答えられないか、香港、台灣、香港・台灣・大陸合作映画なら言えると答えるだろう。

私も香港、台灣、香港・台灣・大陸合作映画なら言えるが、純粋な大陸映画(合作ではなく大陸のみで製作した映画)はすぐには思いつかない。


 -香港、台灣映画の基盤を作ったのは間違いなく大陸映画なのだが、何故ここまで大陸映画は影が薄くなってしまったのか?-


理由として、香港、台灣映画界に比べ、映画界への政府の介入が多かった点、それによる映画界の進歩の遅さがある。

大陸映画は大陸政府の圧力、制約(検閲)を受けながら成長していきた。大陸のみで製作された映画でも政治的な内容が含まれていれば、検閲を通らず大陸で上映禁止になることもある。

上映禁止が頻繁に起これば、製作意欲もなくなり、映画界の進歩も遅くなる。

これが最大の原因だと私は考えるが皆さんはいかがだろうか。


 上映禁止にされる作品は大陸映画、政治的内容の映画に限られたことではない。

ここに書くのが面倒なほどに上映禁止作品は多く存在する。

世界中で大絶賛の映画でさえ中國のイメージが悪くなる映画はすべて上映禁止になる。

最近、上映禁止になった作品は米国の興行成績で歴代2位の記録を残した大ヒット映画【ダークナイト(The Dark Knight)】である。

配給元のワーナーブラザーズは「文化的感受性の違い」を上演禁止にされた理由としたが、「文化的感受性」が何なのかは明らかにされていない。この映画では、マネーロンダリングをする中國人(香港人という設定かも知れないが、劇中では英語と國語を話しているので不明)をバットマンが捕まえるシーンが含まれているが、それだけが原因で上映禁止ならば大陸政府はどんな映画なら満足するのか、聞きたい。

また、大陸政府はハリウッド映画の大陸公開禁止政策を打ち出している。

     

     バラエティ・ジャパンURL:http://www.varietyjapan.com/news/business/u3eqp3000001s5m7.html


【ダークナイト(The Dark Knight)】以外に上映禁止にされた映画をいくつか挙げると・・・


・スティーブン・スルバーグ製作総指揮の【SAYURI(Mamoirs of a Geisha)】

・ジェット・リーの【ロミオ・マスト・ダイ】、【ブラック・ダイアモンド】

  【キス・オブ・ザ・ドラゴン】

・ジャッキー・チェン最新作の【新宿事件】

・日本映画では【金田一少年の事件簿 上海魚人伝説】

・大陸・フランス合作映画【天安門 恋人たち】

    など (ここに記載しているのはほんの一部である)


一番酷いのは【天安門 恋人たち】である。この映画は六四天安門事件を描いていることで上映禁止処分を受け、さらに製作した婁燁監督と耐安プロデューサーは大陸政府(國家廣播電影電視総局)から5年間の映画製作禁止を通告された。


 ここまで映画に自由がない場所は世界中でも大陸だけではないのか?と思ってしまう。


 ところで、先日、この事について大陸の友人と話したことがある。友人は「日本も【靖国】を公開中止にしてるでしょ?」と言っていたが、正直、私は「論点がずれてしまっている」「何を言っているのだろうか」と思ってしまった。

【靖国】は上映予定であった劇場が自主的に公開を中止しただけで政府から禁止を言い渡されたわけではない。

大陸とは大きく違うのある。(友人は私の話を聞いて納得したのでご安心を)


 最後に、今年から大陸に留學する人を10人ほど知っているが、その人達に「大陸では世界中で大ヒットしている映画が見れないかもしれない」と言ってあげたい。

知り合いの10人に限らず、留學する人の中に、もしも映画ファンがいたら・・・本当に「悲惨」である。


最後に、大陸で上映禁止の映画でも香港、台灣ではすべて上映されている。


 

     参考:バラエティ・ジャパンURL:http://www.varietyjapan.com/news/business/u3eqp3000001s5m7.html