2.僧侶編

ごくごく幼い頃から十代初期まで無償の愛を与え続けてくれた僧侶がいました。

幼少時愛用していたピンクのナイトドレス姿のあたしを「西洋寝間着の姫」と称し愛でてくれた彼でした。

彼にも猫に纏わるエピソードが残っています。

おやつに食べようと楽しみに取っておいたカツサンド。

飼い猫が一足先にご相伴に預かろうと口にしたのを目撃した彼。

何と彼は飼い猫の後ろ首をぽんっと叩き、落としたカツサンドを洗って食べてしまったそうです。


最晩年は歳月に抗えず自力で動くのも難渋しましたが、亡くなる前日「明日は山に昇る」と自らの最期を妻に予告し90歳目前の天寿を全うした大往生でした。

そう。

彼はあたしの母方の祖父。

今日が命日です。

よし。

今日は亡きお祖父様を偲んでカツサンド食べよっと。

*祖父の書棚から形見に受け継いだ本に直筆のメッセージが残っていました。

「将来の孫たちへ」で始まるメッセージ。

あたしの宝物です。


*両家の祖父に残されている猫に纏わるエピソード。

あたしの猫好きは二人のお祖父様からのDNAかも知れません。