【スクープ最前線】自民が怯える二つの爆弾情報 霞が関の“暗躍”&独自調査と異なる「議席数」
2012.12.12
雪の中、街頭演説する自民党の安倍総裁
天下分け目の衆院選(16日投開票)はいよいよ終盤戦に突入した。民主党への大逆風や、日本維新の会(維新)や日本未来の党(未来)など、第3極の失速 もあり、自民党の圧勝が確実視されている。ところが、自民党は現在、「2つの情報」で慌てふためいているという。報道機関の情勢調査への不信と、霞が関の 敵対勢力による卑劣な暗躍。ジャーナリストの加賀孝英氏による緊急リポート。
「民主党は日本の教育をゆがめてきた日教組によって支配されている」「政権を奪還し、全ての子供たちが高い水準の学力、道徳心、規範意識を身に付ける機会を保障する」
自民党の安倍晋三総裁は10日、雪が吹き付ける新潟県上越市で街頭演説し、教育再生への取り組み姿勢を強調した。最高気温4度。田中真紀子文科相の選挙区に隣接する地域での訴えに、余裕は感じられない。
一体、自民党は何におびえているのか。
まず1つ目は、報道各社が先週発表した情勢調査だ。自民党は単独過半数(241議席)どころか、「293議席」(共同通信)や、「272議席」(朝日新聞)など、すべての常任委員会の委員長ポストを独占し、委員の過半数以上を確保できる「絶対安定多数」に達する勢い。
一方、民主党は「60議席」(共同)という歴史的大惨敗だった。
私(加賀)も驚いたが、安倍総裁や石破茂幹事長ら、自民党幹部らも「本当なのか?」と首をひねった。
それもそのはず、自民党は同時期、党独自の調査結果を出していた。大まかな傾向は次のようだ。よく見ていただきたい。
自民党(約230議席)、民主党(約120議席)、公明党(約30議席)、維新(約70議席)、みんなの党と未来(各約10議席)。つまり、報道各社が弾き出した数字とは、自民党で40から60議席も違うのだ。
旧知の自民党幹部は激怒して、こういう。
「選挙妨害としか思えない。候補者たちも『とても、そんな風(=報道機関の調査のような)は吹いていない』と断言している。これでは、有権者は『自民党に 1票入れなくても大丈夫だ』と感じる。大体、(党の調査から)60議席増えた分、民主党から同じ数だけ減るなんてあり得ない。絶対に何か裏がある。調査は 信用できない」
自民党が戦々恐々とする2つ目の情報は先週半ば、永田町や霞が関に流れた、安倍氏の「健康不安説」である。中身はなかなか衝撃的だ。
《1週間ほど前から、安倍氏の顔色が悪くなった。肌も荒れているし、周囲に『疲れた』とこぼしているらしい。前回の政権担当時に、政権を投げ出した直前と似ているのではないか》
確かに、安倍氏は9日(日曜日)、フジテレビ系「新報道2001」などに中継で出演したが、声がかすれていた。
安倍氏の持病は「潰瘍性大腸炎」という難病。発症すると、激しい腹痛、下痢に襲われる。首相在任時の2007年9月に入院し、その後、辞任につながった。 2年前から新薬「アサコール」を常備薬として克服したとされるが、一部マスコミは「健康不安説」に色めき立った。そして、情報の出所をたどっていくと、ふ ざけたことに霞が関に行きついた。
以下、財務省幹部の話だ。
「野田佳彦首相が年内解散に踏み切り、自民党の勝利が見 えてきたことで、霞が関は大混乱している。喜んで自民党幹部と連絡を取り合う連中がいる一方、民主党政権に忠誠を誓ってきた勢力は真っ青になっている。衆 院選後、安倍自民党による『戦犯狩り』が始まる恐れがあるからだ。その勢力がこの期に及んで、『自民党圧勝を阻止したい』『単独過半数だけは避けたい』と 暗躍しているようだ」
驚くべき話だ。3年半及ぶ民主党政権の間に、自らの立場を高めてきた勢力が、自民党の政権奪還による政策や人事の大転換を恐れ、うごめいているのか。公僕たる立場を完全に忘れていると言わざるを得ない。
ただ、霞が関官僚の知恵と情報、人脈は侮れない。投開票日まであと5日。何があるか、まだまだ分からない。
■加賀孝英(かが・こうえい) ジャーナリスト。1957年生まれ。週刊文春、新潮社を経て独立。95年、第1回編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム大賞受賞。週刊誌、月刊誌を舞台に幅広く活躍。昨年11月、月刊「文藝春秋」で「尾崎豊の遺書・全文公開」を発表し、大きな話題となった。
