私の親父は、大酒飲みで自分勝手で傲慢で人の意見は全く聞かない我が人生を突き進むハデな親父であった。
しかし、本当は心が優しく、寂しがり屋で困った人や、友達がいたら俺がどうにかしてやろう!という非常にかっこいい男でもあった。
そんな親父は3年前くらに55歳の若さで天国へ旅立った。
私、当時24歳と母親、姉、妹、弟を置いて天国へ旅立ってしまった。
親父は糖尿病も持っており、胃がんにも2回侵され、しかし、早期発見で手術で胃を全摘出したものの命には別状はなかったが胃を全摘しているのでみるみるやせ細ってしまい昔はかっぷくの良い親父の姿はなかった。
そんな親父だが最後の最後まで酒はやめなかった。むしろ辞める気はさらさらなかった!
胃を全摘したことも関係あるかもしれないが、酒が昔よりはすごく弱くなっていた。
人生の最後の方は朝から晩まで飯を食わずに飲み続け自分でトイレに行くことも出来ないくらいになって
しまいそれが1週間程続くような飲み方をしていた。体が悲鳴をあげ、きついのは分かっているがそのきつ
さを和らげる為また酒を飲んでいた。
酒を飲まないために入院をして1週間くらいしたら元気になって退院をして仕事をするという生活が続いていた。
当然、酒を辞めさせようと、
「もう酒飲むのやめり!!」
「いいけ酒もってこい!!」
「いや、もうないよ!!」
「なら、買ってこい!!」
「もう、やめりって!!」
「なに~?誰にいいよんか?誰に迷惑かけよんか??」
の繰り返しの日々・・・。
また、1週間くらいブッ通しで飲み体がきつそうにベットでもがいていた。
それで、母親と一緒に車まで運び、車で病院に連れていった。
私の心の中では「またかぁ~ハァ~疲れるな~」と思っていた。
病院に昼間連れて行ったのもあり、病院に着くなり母親に後を任せようと「オトン、なら行くね」
親父は小さな声で「おう!」と。それが、親父と交わした最後の会話であった。
後になって病院を去る私を見つめる親父のまなざしがすごく寂しいそうだった事をいまでも鮮明に覚えて
います。もしかしたら、その時もう虫の知らせが来ていたのかも・・・
その入院した夜11時くらいに母親から電話が来て「ようへい今すぐ病院にきて・・・」と
つづく