第17回検討会「北欧の教育視察から考える、日本の未来」レポート | 2030vision

第17回検討会「北欧の教育視察から考える、日本の未来」レポート

第17回検討会「北欧の教育視察から考える、日本の未来」を開催しました。

ワールドカップ、オランダ戦とカブってしまったにも拘わらず
33名の方に参加していただき、スタッフ併せて39名の会となりました。

■第一部は平井里沙さんのフィンランドとデンマークの報告。 

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U-streamアーカイブをご覧ください (フィンランドの後半とデンマーク)



≪フィンランド≫
 ・エリート系私立学校や塾はない
 ・子どもの成績は絶対評価&自己評価 (日本は相対評価:偏差値)
 ・学校選択制ほぼなし
・特別支援  ~下の子ほど手をかける
 ・自らの向上にフォーカスする

 ・小学校も大学も、全学校のレベルの格差がない
 ・学ばせ方は自治体と学校に委ねられる
 ・教師の裁量の幅が広い
 ・先生は尊敬される憧れの職業

 ・社会構成主義 Social constructivism
~学習者中心の学習環境、問題解決学習、相互教授
~ 1人1人の子供に合わせ、どうやったらその子が学びやすいか考える
 
 ・中学校で職業実習訓練(インターン)。自分で探して申し込む

 ・スウェーデンとロシアに囲まれた地政学的環境から愛国心高。
 ・ソ連崩壊でGDPが4割落ち、国が滅びるという危機感
  ⇒教育改革断行の原点 
   = 中央集権的だった教育体制を大転換

 ※課題
 ・増え続ける移民 
 ・暴力、いじめ、精神的問題のある子どものケア
  ~体格が良いので校内暴力は深刻な問題 (教師の体術研修も開始)
  ~ノーマライゼーションゆえに、精神的に難しい子どものフォローの手が足りない
 ・ 国民の生活の変化 
  ~質素からだんだん派手になってきているから、収支が合わなくなる可能性も

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≪デンマーク≫
 ・不登校は存在しない
  ~選択肢(1)公立学校
  ~選択肢(2)私立学校 政府から約70%の補助金 ⇒年20~30万円の出費で済む
  ~選択肢(3)ホームスクール  ~学校に通わなくてすむ
 ・市民参加の自由な学校つくり
 ・私立学校に通う子どもは全国で14%
   (日本は小学校1%、中学校6%)

 ・「生のための教育」・・・学びはイキイキ生きるためのもの
  ~試験はしない生活実感にあった教育
  ~ 子どもが楽しいことが大切!!
 ・ 学科の達成度よりも、むしろ、社会性・共同性・民主主義的振る舞い
   ・社会参加の感覚の育成に重点

 ・ 昔は「死の教育だったが、これではいけないと変わった。
 ・ ”Good Life、 Good Society”
  すべての人が自分らしく学べ、豊かに生きる

 ・ 民主主義が根付いている。 ・・・何でも皆で話し合いの文化
 ・ 共同を重視する

 ※課題
 ・移民の増加
 ・経済環境の変化
 ・教育の早期化

≪全体として≫
 ・北欧って素晴らしいではなく、トータルで考えることが大切
 ・等身大の北欧像をきちんと捉える必要がある

 ・北欧の良さは、歴史、文化、風土、国民性、いろいろなものの
  上に成り立っている。
 ・教育だけ真似しようとしても無理がある。
 
 ・日本には日本の良さがあり、これをきちんと認識したうえで
  これからの日本をどうするか考えることが重要だと思う
 
■ 第二部 ワールドカフェ・ダイアログ

U-Stream アーカイブ (音声が聴き取り難いところもあります。…すいません)
⇒ ワールドカフェの対話 

 ・第一部のレポートをベースに、印象に残ったことを共有した後、
  「自分たちが大切にしたいことはなにか?」
  「そのためにどんなことをすれば良いか?」
   を対話しました。

まず、第一部の平井さんのお話を聞いて、印象に残ったことを話します。
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次に、皆で話し合いながら、気づいたことをマーカーで模造紙にそれぞれ書いてゆきます。
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しだいに話が熱気を帯びてきます。 笑い顔も素敵ですね。
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団扇で冷やしながら、対話が続きます。
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テーブルごとにどんな意見が出たかを話して、皆で共有します。
「若者に期待してる!」というシニアの声に皆、共感。  
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ここで出た意見の主なものは、
◎夢や希望を持てることが大切だ
◎日本はもっと自信も持ったほうがよい
◎貧しい子どもたちにどう希望を持ってもらうかが大切
◎日本人のアイデンティティを大切に
◎シニアは若者のことをもっと信じるべきだ
 ・若者の能力を信じて、フォロアーになればよい
 ・若者の言葉を傾聴する姿勢が大切だ
◎”楽しさ”を大切にしよう
◎一人ひとりが変わることが大切!

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♪アンケートもとっても好評でした!!

第一部 北欧レポート 4.47点 (高得点です!)

 ◎ 平井さんのレポートは質が高く、素晴らしかったです。
 ◎ フィンランドとデンマークの対比が良かった
 ◎ 現在形の北欧が、ビビットに感じられてとても勉強になりました。
 ◎ ”生のための教育”は、教育の本質だと思いました。
 ◎ 新しい学びの種が脳に生まれました。
 ◎ 『人』がだいじにされる。『じぶん』をだいじにできる。 ステキな社会です!
 ◎ デンマークの教育方針は“社会に役立つこと”、”生のための教育”が印象的でした。


第二部 ワールドカフェ 4.58点 (高得点です!)

 ◎ いろんな意見が伺えてとても良かった
 ◎ 新たなビジネスアイデア、考え方、などとても参考になった
 ◎ 第一部で国の文化と価値観は切り離せないなと、思っていたところで、
   日本らしい新しい教育に必要な要素が見えたのが収穫でした。
 ◎ 今回は自分が変われたので 100点です。
 ◎ 傾聴が自然に起きて、すごく居心地が良かった時間でした。
 ◎ 考えてることはみんな違うけど、でもみんな一緒でした。
 ◎ いろんな人の意見と聞けたこと。話のプロセスで方向性が見えたこと、満足です。
 

この検討会を通して、「私たちの未来」への気づきはありましたか?
 ◎ 自分は何ができるのか?を改めて考えるきっかけになりました。
 ◎ 『楽しい~』は大事! ♪♪
 ◎ 教育のスコープが拡がりました。もっと有機的に教育を考えて行きたいと思います。
 ◎ シニアが「若者を信じる!」と言ってくれたのは、とても励みになりました。
 ◎ 世代、社会的な立ち位置を超えて、頼もしい人達と出会い対話できる場を増やしたい
 ◎ 日本に足りないのは「楽しさ、自由、愛」
 ◎ 未来をつくるのは私たちの情熱を持った行動かと思いました。
 ◎ 未来はやっぱり『じぶんごと』 その『じぶん』に『みんな』が含まれていることが大切
 ◎ 個々が頑張っていかなきゃいけないんですね。
   人任せにしてはいられん!!
 ◎ 大人自身も自己肯定感を持つこと (日本に無いものはないなど。日本人のアイデンティティ)

その他の感想
 ◎ とても実りある時間を過ごせました。
 ◎ こういうイベントで話し合うことが、個々人の目的・目標を達する上で良い機会になると思います。
 ◎ あらゆる世代の人がいて、とても良い「フラット」な場でした
 

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ここでの対話は、これからの検討会にも活かしてゆきます。