第9回検討会「福祉と財政の両立」 | 2030vision

第9回検討会「福祉と財政の両立」

10月3日(土)検討会のご報告です。

テーマ:
福祉と財政の両立

増え続ける財政赤字は将来的に問題ないのか?
福祉を充実させながら財政的にも安心できる世の中をつくっていくことが可能なのか? 
生活者としてどうすれば良いかを皆で考えました。


第一部 プレゼンテーション

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「財政赤字」、「子育て家族制度」ともに、分かりやすくてとても勉強になったと
大好評でした!!

① 「財政赤字のどこが問題なのか?」 濱田秀明氏 (財務省)

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≪プレゼン要約≫
 ✔日本の財政事情:
   ・ご存知の通り、「歳出>>歳入」で、ワニグチカーブで赤字が増え、GDP比率は170%超。
   ・主要先進国では最悪。 EUには加盟できないレベル

 ✔ 財政赤字の原因って何?
   ・バブル崩壊後の経済成長を保つために、国費を投入して支えた。
    いわば「ガラスの経済成長」
   ・支出で増え続けているのは 社会保障費用!
    小泉改革のもとで減額をしているが、それでも年間1兆円ずつ増えている。
    今後も増加していくが、負担する人の割合は減少していく。

 ✔ 政府が「破産」するって本当にありえる?
   ・国債買入れの95%は国内の資金だから、デフォルトは簡単には起きない
   ・しかし、国内の貯蓄も今後取り崩されていくので、いずれ資金が不足する
   ・海外の投資家に国債を買ってもらいたいが、買うかどうかは保証できない
  
★「財政規律の考え方をきちんと持ち、リスクへのタフネスがある
  新しい社会システムを作る必要がある。」


⇒ プレゼン資料抜粋「財政赤字の現状と課題」

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② 「子ども家族政策の問題点と解決策」  赤尾美也子氏 (株)ママジョブ広報

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≪プレゼン要旨≫
 ✔ 少子化の現状と課題
  ・日本では少子化が進んでいる  出生率 1.3レベルで推移
  ・人口が減ると働き手が減り、日本経済が縮小する

 ✔ 女性の結婚と労働
  ・女性の労働力率は上がってきていると云われている
  ・しかし結婚する女性の減少が労働力率上昇の要因・・・

 ✔ 出産と仕事の両立
  ・約7割の女性が出産を機に仕事を辞める社会
  ・有休+αがないと難しい

 ✔ 子育てママのワークスタイル
  ・ワークスタイルの選択に女性としての人生の価値観が反映される
  ・ママが「働く」のは社会との繋がり「私=個」のアイデンティティの追及
  ・仕事先は、住んでいる「エリア」近隣
  ・それぞれの就業体系にあった育児サポートが必要

 ✔ 日本の社会福祉の課題と解決策
  ・日本の家族給付は、フランスに比べて圧倒的に低い
  ・子どもを「産む」「育てる」ことに対する支援策の強化がマスト

★「主婦が働けば日本が変わる」
  ・ママの働くが、もっと自由で楽しいものになれば日本の子育ては変わる。
  ・働きたい主婦が働ける社会にすることが、日本の将来にとって大切


⇒ プレゼン資料 「子ども家族政策の問題点と解決策」

≪参考≫(株)ママ・ジョブ ホームページ
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2.グループディスカッション


 ①グループ「日本の財政赤字をどう捉えるか? どうやって解決するか? 」
男性のみのグループで、「経済成長しないと財政赤字は解決できない」派と、
「経済成長に頼らなくても方法はある」派の二つで激論となりました。
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印象に残ったコメントは、
「バブル崩壊後の票田確保のために、自民党政権は地元に金を落とし続けて、
 赤字を垂れ流しにした。」というものでした。
 ・・・なるほど、そう言えばそうですね。

 ②グループ「出産、子育て、待機児童、扶養手当など、子育てをどう充実させるか?」
こちらは女性が多くて和気あいあいと楽しいディスカッション。
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笑顔が素敵です。
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 ③グループ「福祉充実と財政赤字解決の両立策は? 」
 こちらは、若い人中心のグループです。
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 「問題はたくさんあるが
  ”国としての方向性を明示”し皆が将来像を共有することで解決できる」
 「超高齢化社会の先進的なトップモデルとなること」が我が国の強みになる
  と、とても前向きな纏めでした。
  若い人たちの知恵とエネルギーに期待が持てます。 
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3.グループディスカッションプレゼン
 ①グループ「日本の財政赤字をどう捉えるか? どうやって解決するか? 」
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 ②グループ「出産、子育て、待機児童、扶養手当など、子育てをどう充実させるか?」
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 ③グループ「福祉充実と財政赤字解決の両立策は? 」
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お疲れ様でした。

ディスカション詳細は、こちら
⇒「”2030ビジョン”コミュニティ」



なお、当日の参加者は16名でした。
問題・課題が分かりやすく整理されたプレゼンと充実したグループ討議で
参加者の満足度も高かっただけに、もっと多くの方に来ていただきたかったですね。

記録 中山弘