謝罪予定の役員会の前に、会長へ収支決算報告書の確認をしてもらわなければならない夫。
昨年は、この確認の時に通帳と報告書の付き合わせがなされなかったことから、夫の横領が発覚することなく、2年目も使い込みが続くことになった。
私が通帳を精査した際、1年目の数ヶ月はきちんと通帳への入金があり、必要時に都度、必要額を引き落としている記録が残っていた。
しかし、その後は30万円振り込んだ後、すぐに30万引き出すなど、謎の動きが見られ、そのうち入金すらされなくなってどんどん残高が減り、最終的には数百円になっていた。
夫曰く、
口座に入れるのが手間になり、寄付金を受け取っても自分の手元に置いておくようにしていた
立替払いした会員が領収書を持ってきたら、その手元に置いていたお金から渡していた
とのことであった。
自分の小遣いも管理出来ず、過去に借金をする等パチンコ欲を自制出来ない夫が、手元に大金なんか置いておくから、こんな事態になったのだ。
会長の所へ行く際も、お義父さんがついて行ってくれた。
一見お義父さんが甘やかしているように見えるが、うそつき夫のことが信用出来なくなっていた私からしたら、同行してくれるのは非常に有り難かった。
会長からは、
信用していたからこそ、今回の事態は驚いているし、青年会を運営する上で貴重な財源を使い込まれてしまっていたのは非常に残念だ
自分も会長という立場でありながら、昨年度確認することなく承認してしまったのは反省すべき点である
夫がきちんと反省し、使い込み額を返済してくれるのであれば、この話は終わりにしても良いと思っている
しかし、他の役員達がどう思うかは分からない
他の役員や会員が、処罰意思を示した場合は、それについても検討していかなければならない
ということを言われたらしい。
そりゃそうだ。
使い込み額は100万円以下だし、補填してるし、、
で、済まされる問題ではない。
寄付金については、過疎化の進む小さな組でも、変わらず祭り事を行ったり、環境の整備を行ったり、、ということが出来るように募っているものである。
誰も夫がパチンコ出来るようにという目的で寄付なんかしていない。
夫は、会長への謝罪が済んだ夜、
『もし、訴えられて仕事がクビになってしまったら申し訳ない』
と言ってきた。
「自分のした事の重大さ、しっかり自覚出来た?」
そう聞くと、夫は口を固く結び頷いた。
私は、
「そうなることはとっくに覚悟している。」
「もし、クビになっても当分は私の稼ぎだけでも生活出来る。」
「その代わり、お願いだからもう二度とうそをつかないで欲しい。」
切実に、本当に切実に、そう伝えた。
きっと、夫は一度でもうそをつくと、それが引き金となってどんどんうそを積み重ねてしまう。
そして、今回のように、自分ではどうしようもない事態にまで発展しないとカミングアウトしない。
うそだけは、ダメ。
うそは全ての元凶の入り口だ。
夫は再度、分かった約束する、と、深く頷いた。
結局、役員会でも会長の意見に役員が同意した。
夫を小さいころから見てきた近所の方は、励ましの言葉まで伝えてくれたそう。
ただ、もちろん中には、この顛末を良く思っていない人はいるかもしれない。
だから、許してもらえたと喜ぶのは違う。
むしろ、夫がこの状況に
『やった!借金がチャラになった!!』
という思いを抱かせないようにだけはしなければならない。
会長に謝罪した日と違って、夫は早々に眠りにつく。
私は、どのようにすれば二度と夫がやらかさないのかを考えていたら、不安な夜になってしまい、その日はなかなか寝付くことが出来なかった。
きっと、これが、共依存という状況なのだろう。
ただ、次、夫がやらかしてしまうと、家計も家庭もめちゃくちゃになってしまうので、夫に今回の顛末をすべて任せて、気持ち新たに頑張る!というのは、私には無理だった。
だって、夫はうそつきだから。
だから、立て直しに介入しないと、また騙されてるんじゃないか?と落ち着かない。