使い込んだお金は取り敢えず義両親が補填し、夫は役員会で謝罪することになった。





そして、満期までの会計は、義父が代わりに務めてくれることになった。







お義母さんが、



「usagiちゃん、この際言っときたいことない?」


「この子は都合が悪くなると黙るでしょう。」


「今のうちに言いたいこと言っておき。」





と、私の気持ちを伝える場を作ってくれた。







私は、使い込んだお金を義両親が立て替えると言ってくれたことに感謝しているが、果たして、その状況を作ってしまっていいのかということに悩んでいる旨を打ち明けた。





夫が身勝手にパチンコで使ったお金。




謝罪はするものの、それ以外に苦労することなく(社会的制裁は受けるかもしれないが)終わらせていいのか。




実際、前回貯金から立て替えることをせず任意整理したものの、返済手続きは私がしているから、何の苦労もしていない夫。




そして、懲りずに起きた今回の事件。




次同じようなことや、別の借金が発覚したら、もう一緒にやっていく自信がない。




理不尽に家族のためのお金を奪われるのはまっぴらだ。






ただ、普段は優しい夫。





子育てもすごく協力的で、きっと夫がいなかったら、今後困ることはたくさん出てくるだろう。





子どもも、たくさん遊んでくれる夫のことが大好き。





子どもから父親を失わせたくは無い。





だからこそ、もう二度と今回みたいなことが起きないようにしなければならない。





でも、それは私や周りがどんなに頑張っても、夫自信が本気で生まれ変わる意思を持たなければ無理である。







解決策が見つからない。



もう、どうしたらいいのか分からない。







そう言って私は、夫や義両親の前で白旗をあげた。









夫は、少し時間を置いて、




『小遣いを減らしてもらおうと考えていた。』




『時間はかかるけど、減らした額を両親への返済に当てたい。』



『あと、紙幣を持つのが怖いから対策を考えたい。』



『勤務表を渡してなかったけど、これからはきちんと勤務表を渡す。』




と、稚拙な解決策ではあるが、夫ながらに考えていることを述べた。








そして、私の方に体を向けて、






『正直離婚されても仕方ないと思っていた。』




『でもやっぱりusagiと子どもたちと、ずっと一緒に暮らしたいです。』




『もう一度チャンスをもらえるなら、絶対に裏切らようなことはしません。』






と頭を下げた。









夫の目から涙が溢れているのを見て、






あぁ、涙するのはお義父さんに対してだけじゃないんだ





と、ぼんやり安心する自分がいた。

昇天