青年会のお金を使い込んでしまった夫。






今まで聞いたことのない暗い暗い電話口の声。





万が一、夫が変な気を起こしていなくなってはいけないと思い、「取り敢えず帰っておいで」と落ち着いた声で諭した私。






暗い暗い電話口の声なんて、演技だったのかもしれないけれど。













アパートの外階段を上がってくる音がする。





玄関先でガチャガチャ音が鳴り、夫が帰ってきたことが分かる。





普段なら『ただいまー!』という元気な声を合図に、夫の帰宅を喜んだ子どもたちが玄関へ走る。





もちろん今日は無言。





それでも子どもたちは、パパだ!!と喜び玄関へ向かう。





私は、一体どんな顔をして、どんな言葉を発したら良いのか分からず、少しずつ冷えて膜が出来はじめたシチューの前で動けずにいた。









子どもたちが足にまとわりついた状態の夫が部屋に入ってきた。






夫は、うなだれ、床に膝をつく。








『すみませんでした。』








子どもたちも見ているのに。




本当にみっともなくて情けない姿。








一言謝まった後はいつもの通り、頭を垂れたまま何も言わない。







また私が主導して事を進めていかないといけない?






ただ、今回ばかりは私も聞きたいことがたくさんある。











「ねぇ。私、お金に手を出してないか何度も何度も確認したよね。」




「一体それをどういう気持ちで聞いてた?」




「確認する度、使ってないわ!て不機嫌になってたけどさ、結局使いこんでんじゃん。」




「私を馬鹿にしてんの?」








夫を見下しながら喋る先に、固まった表情で私を見つめる子どもたちと目が合う。







違う。




ママじゃない。




悪いのはパパなんだよ。






そんな説明も出来ず、何にも状況を分かってない子どもたち。





父親が、借金をしたり横領をしたりする普通じゃない環境の下で育っていかなければならなくなった子どもたち。






本当に申し訳なくて、本当にかわいそうで。






ごめん、ごめん、と涙が止まらなくなり、泣き崩れてしまった。





上の子が、慌ててティッシュを取りに行き、「ママ大丈夫?」と涙を拭いてくれる。





下の子も上の子を真似してティッシュを取りに行き、ギューっとしてくれる。





君たちは、そんなことも出来るようになったんだね。
















夫はこの状況にどう思う


真顔





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あけましておめでとうございます。



年初めから辛い出来事が続いておりますが、2024年が皆様にとって、どうかどうか穏やかでありますように。