選択肢
寂しくはないのですか?
髪を撫でる
↓完全ネタバレです。見たくない人は引き返してください
景虎さんが鶴岡八幡宮で上杉家相続と関東官僚職就任の儀式を行うために出立されて数日が経とうとしていた。
めでたいことだけど、関東は他の勢力もあるのでいつ襲われるかもしれないって。
「そろそろ、どの家につくか決めたのか?」
「それは‥」
「そのうち大きな戦が始まる。その前には、意志表明をしなければ簡単に潰されるぞ」
「どの家につくかは‥‥決めています」
「だけど離れたくないか?慶次がいるから」
「ごめんなさい、小次郎。分かっているのです」
私は越後に恋をするために来たのではない。
あくまで家の将来を決めるために来たのだ。
本来の目的を忘れてはいけない。
(それなのに、私は日に日に慶次様のことばかり考えるようになっている。このままではいけないわ)
「今日の夜、立ちましょう」
「いいんだな。挨拶くらいはと思っていたが」
「お顔を見ると帰れなくなりそうですから」
その時—‥
「何勝手なこと決めているんだよ!!」
大きな音がして障子が開け放たれた。
慶次さんが飛び込んでくる。
「ど、どうしてここに!?」
「どうしても、こうしてもだ‥!〇〇姫、どの家につくつもりなんだ?」
「もちろん、その、越後ですが」
「それなら手紙で十分だろう?それでも心配だというのなら、兼続を使者として行かせる!」
それだけ叫び終わると主人公の手首を強引に掴む。
「ったく。図体のでかい子供だな」
「なんとでも言えばいい!俺は——それでも〇〇姫を離したくないんだよ!」
「‥‥悪かったな」
あの後、小次郎さんの制止を振り切って野原まで連れて来られた。
落ち着いたのか、ものすごいしょんぼりしてる。
主人公は気持ちは嬉しいけど、国には親が待ってくれてると話す。
「分かっているさ。それでも、そばにいて欲しいんだ。〇〇姫の辛い気持ちは家を捨てた俺には分からない。だから、簡単に言えると罵られてもいい」
(家を捨てた‥?)
「そうだよ。俺は家を全部捨ててこの越後にやってきた。もし、景虎様が拾ってくださらなかったら、今頃は京でグダグタしているだけのクズだっただろう」
元々前田の人間じゃないし、誰かに頭下げるのは性に合わない。
義理のお父さんにお金を貰いながら京でブラブラ遊んで暮らしてたらしい。
そんなとき、景虎さんがやってきて、越後に遊びにこないかって誘われて、そのまま仕えることになったんだって。
慶次さんが起き上がり、主人公の膝に頭を載せてきた。
子供のように甘えて顔をすりつけてくる。
それから質問タイム。
もし家を出るとしたら何を持ってくる?とか平和になったら家を離れられるのか?とか、
男がいないから、婿を取るしかないっていうと、なんだか雰囲気が‥‥
「ああー!俺の言葉で悩まなくていいんだ。〇〇姫がそんな優しくて芯が強い心根に惹かれたんだし、そのままでいいんだ」
(優しいのは慶次様、あなたです)
「背負っているものが違う。その気持ちは痛いほど伝わってきた。けど、俺には夢があって」
慶次さんは主人公の顔に手を伸ばす。
「夢。それはどのような?」
「自分が命を捧げてもいいと思えるだけの女を、この世で一番幸せにしてぇんだよ。そういう女をずっとずっと探してた。そして、やっと巡り逢えた。俺なんかよりもずっとずっ小さくて細いのに、俺よりもずっと大きなものを守ろうとしている、そんな女だ」
慶次さんの指が主人公の唇に触れる。
「〇〇、好きだ。抱きたい。俺のものになってくれ。俺もお前に全部やるから」
「‥‥」
初めて名前を呼ばれた。
主人公の瞳から幾筋もの涙が零れ落ちていた。
「どっどうした!?」
慶次さんが驚いて身体を起こす。
「自分の国に帰りたくなったのか?それとも、俺が困らせるようなことを言ったから‥‥すまねぇ!」
涙を拭ってくれる。
「突然泣いたのは、国に帰りたくなったわけではありません。むしろ逆です。本当は‥」
「もういい。その先に言わなくて」
指で唇を押さえられた。
「〇〇は家に帰らないといけない。けど、俺のわがまま勝手で引き止めた。そして、俺は絶対に〇〇を帰らせない」
‥‥やばい、なんかのボルテージが上がっていくw
「〇〇、俺はお前が好きだ」
強く抱きしめられる。
身動きができないくらい。
「お前は悪くない。俺が強引にお前を奪うんだから」
目元、頬、唇に熱い唇が落ちてくる。
「すまないな、俺が悪い男で」
次回へ‥!
慶次さん、かっこよすぎるよもう!!!(●´ω`●)ゞ