選択肢
なし
時計は午後10時を回っている。
パソコンのメールの送信ボタンを押すと、ぐったりしてデスクに突っ伏した。
「だ‥脱稿した‥‥」
買収騒動のときに、編集者とデザイナーが一人ずつやめてしまったのでこの一カ月すごく忙しかった・
(今夜、未来くん空いてるかな)
そっと編集部を抜け出し、未来くんに電話をかけるがなかなか出てくれない。
(今日は無理かな‥)
「今日は疲れちゃったし‥‥未来くんの顔が見たいな‥」
癒し?w
ため息混じりにつぶやくと、誰かに肩をたたかれた。
「‥っ!?未来くん!?」
振り向くと、未来くんがたっていた。
「えへへ、来ちゃった」
(毎回思うけど、うちのセキュリティって一体どうなってるんだろう‥??)
ねーww( ´艸`)
「お仕事終わった?まだなら、どこかで待ってるけど」
「ううん、もう終わったから帰れるよ。未来くん、今夜仕事が一区切りつくこと、なんで知ってるの?」
「‥‥ふふっ、どうしてでしょう?」
言いながら、未来くんが主人公を抱きしめる。
(こうやって抱きしめられると疲れも忘れちゃいそう‥‥って、ここ会社じゃない!)
「み、未来くん。ここ、会社だからちょっとマズイんだけど‥」
「ゴメン、わかってるんだけど、ずーっと傍に居られなかったから、体が勝手に‥」
そう言いながら抱きしめる腕に力を込める。
「み、未来くんってば!マズイって!」
「おお、影山くん」
(や、やばい!こんな場面を編集長に見られたら、言い訳ができない!)
「へ、編集長、これはっ」
「こんばんは~。昨日、借りたゲームやりましたよ!」
「おー、アレ、ラストがやばいから。クリアしたら感想メール送れよ?」
・・・・・・・え?( °д°)
「もちろんです!」
いやいやいやいや!!?
呆然としてたら、恋愛大いに結構!いいネタどんどん仕入れてこい!って肩を叩かれた。
編集長は北大路さんによろしく~と言って去って行った。
「未来くん、今のはどういうこと‥?」
「あ、○○ちゃんにはまだ言ってなかったね。付き合ってること言っちゃったの」
「えっなんで!」
「隠すようなことでもないじゃん。むしろ味方につけたほうが、やりやすいなあと思って」
(味方につけるって言っても私の上司だし!他の人にバレたらなんて言われるか‥)
「‥‥み、未来くん」
「僕と○○ちゃんが仲良しなら、僕の周りにいる人たちとも仲良しだってことでしょ?それは、編集長にとってもメリットがあるってことなんだから、いいの」
「そういう問題じゃなくて!」
「職場なんて平日のほとんどを過ごしてる場所なんだから、虫除けしといたほうがいいの」
「む、虫除けって」
未来くんはにっと笑って、主人公の体を壁に押し当てる。
だからここは会社だーっ!!!!!!(/ω\)w
とっさに未来くんの唇を止めた。
「‥‥○○ちゃん、これって僕、焦らされてる?」
(未来くん、わかっててやってるな‥)
「そ、そうだよ。焦らしてるから、ここから先は、後で‥‥ね?」
主人公!?
「ふふ。○○ちゃんったら、照れ屋さんなんだから」
「未来くんも、ヤキモチ焼き屋さんなんだから。そんな焦らさなくても」
主人公の返しに、未来くんが一瞬きょとんとした表情になった。
「‥‥○○ちゃん、後で覚えておいて?」
「そっちこそ、ね?ちょっと待って。すぐバッグ取ってくるから」
お前ら‥‥ここ会社だっつってんだろーっ!!!ヾ(@^(∞)^@)ノ←
カジノのVIPルームに行くと、皐月さん以外全員揃っていた。
ちょっ皐月さぁああぁあん!!!(;´Д`)ノ会いたいわー!!!←
「○○さん、久しぶりだね。最近は仕事が大変だったんだって?」
「はい。この前の騒動で人が何人かやめてしまって。未来くんから聞いたんですか?」
「ふふっ。未来くんはあなたの自慢話ばかりだから」
「えっ、みんなが僕にそういう話を振ってくるんじゃない!」
「なあ、○○。未来みたいなお子様といると疲れるだろ?俺みたいな大人な男がお前でもいいだろ」
「遼くん。僕がお子様かどうか、見せようか?今ここで」
「ほう。んなこと言うなら、見せてみろよ」
売り言葉に買い言葉で、未来くんは主人公に迫ってくる。
「ちょ、ちょっと未来くん!」
そういうところが子供っぽいってことに気づかないか?w
「冗談。かわいい声出してる○○ちゃんなんて、僕のほかに絶対見せたくない」
あ ぶ な い 言葉禁止ー!!!!ww
「ふぅん?かわいい声‥ね」
にやにやしながら見んな、どS代表w
「廣瀬さん、そういう目で私を見ないで下さいよ」
「別に。○○がそういうことを期待してるから。そういう風に見えるんじゃないのか?」
未来くんが主人公を抱きしめて、廣瀬さんを睨みつけた。
「遼くん、○○ちゃん見るの禁止ね」
「触ってないんだから、別にいいだろうが」
「僕がヤなの。‥‥ねえ、さっきからみんなで何のゲームやってるの?」
みんなはブラックジャックをやってて、主人公たちもやることに。
でもやっぱ未来くんには敵わず‥全部負けたw
途中から合流した皐月さんが、へこんでる主人公を見て神経衰弱でもやりますか?って。
皐月さんルートマジ気になるんだよねー‥やっぱルイフェイさん出てくるのかな?それともお母さんとバトル?
「こういうのって罰ゲームがねーとつまんねーから、一番負けたやつは、恋愛で今まで味わったイタイ過去を暴露ってことで」
「俺はいいけど‥‥お前、ハードル上げてるんだよ」
「ただのゲームしたって面白くねえだろ?」
(なんだか‥‥嫌な予感がする‥)
主人公の言うとおり、ひと組も取れないまま、主人公が最下位。
悠月さんがノッリノリで聞いてくるんだけど、未来くんが必死にガードしてくれて言わずに済んだw
遼一さんに未来の相手は大変だなと言われ、でも小動物みたいでかわいいですよと意地悪なのかもわからない意地悪をw
未来くんに一度も勝てなかったのが悔しかったらしいww
「‥わかった。○○ちゃん、ラスベガスに行こう」
(ラ、ラスベガス‥?)
「み、未来くん‥‥えっと?なんでラスベガス?」
「ブラックジャックの楽しさを知りたいなら、やつぱり本場に行かなくちゃ」
「仕事あるから、そんな急に行けないって!」
「皐月さん、○○ちゃんの取材受けてくれる?」
「ああ、構わないが」
ちょっ軽っ!!
未来くんは携帯を取り出し電話を‥
まさかw
「OKもらっちゃった。○○ちゃん、三日間休んでラスベガス行っていいって!」
「えっ!?まさか今、編集長に電話してたの!?」
「うん。土日入れて計5日間休めるから、ちゃんとプラン組んどくね」
前から編集長、皐月さんの取材やりたがってたもんね‥
「そ、そうなの?皐月さん、申し訳ございません。皐月さんまで巻き込んでしまって‥」
「いえいえ。ちょうどカジノに新しい施設を建設中ですので、それの宣伝もかねましてね。それに○○の頼みとなれば断れませんよ」
「ありがとうございます。そう言って頂けると助かります」
(でも急な展開でラスベガスに行くことになるなんて‥。現実感がない気がする)
「おい。大丈夫か?」
「‥‥男の人って、勝手ですよね‥ホント」
「いや、未来だからだろ。俺、そこまでやらねえし」
「‥そっか。そうですよね‥‥」
悠月さんの同情するような目が痛いww
場面変わって、どっかの部屋。
「はあ‥‥」
「○○ちゃん。ため息出てるよ?」
「未来くん、どうしてラスベガスに行くの?本場のカジノを見せたいからってだけじゃないでしょう?」
「ホントはね‥‥○○ちゃんと二人きりで旅行してみたいなって、思ってたんだ。最近ずっと一緒にいられなくて、寂しかったから」
「そっか‥‥ゴメンね、未来くん。寂しい思いさせちゃって‥」
「ううん。僕も予定合わせられなかったし‥」
未来くんは主人公の唇をやさしく指でなぞってから自分の唇を重ねる。
そのまま、ベットに押しつけられた。
「だから、今夜は寝かせないよ」
「な、なんで急に態度変わるのっ!?」
「それは男だから。‥‥どんなふうにイタズラされたい?」
「そんなこと、私に聞かないでよ‥」
「ふふっ、ホントに食べちゃいたい」
それから未来くんの小悪魔モード全開ですww
どうやら未来くん、こういうときに声を使い分けてるらしい。
「だって○○ちゃん、このくらいの声の高さが感じるっぽいし」
耳もとにやわらかくあたたかい吐息が触れて、思わず声が出てしまいそうになる。
「聞かせてよ」
「‥‥なに、を」
「わかってるでしょ?我慢しないで」
ふふふ‥‥ははは‥‥(にやけ顔を必死でこらえる私)
「あらためて言われると、恥ずかしいってば‥」
「ふふ、わざとだもん」
「ホント、未来くんて『羊の皮を被ったオオカミ』だよね」
「なにそれ、すっごい褒め言葉」
未来くんはそう言って、いだずらっぽく笑った。
翌日。
寝不足がたたって、まぶたが重い。
寝かせてくれなかったのかw
でも未来くんと3日間一緒にいられるんだと思って、仕事をやろうとしたら、編集長が来て、今日からだろ?ラスベガスって‥‥ほ??
「いや、影山くんから昨日の電話で言ってたんだがな。今日からお前とラスベガスに行くからっつって」
「今日?」
「そう。今日からだよー」
出たーー!!!!!!| 壁 |д・)←
だから危ないってこの会社のセキュリティww何回目だよ、未来くんが会社に登場するのww
「ふふっ、迎えに来ちゃった。フライト時間が迫ってるから、さっさと行くよ」
「え、ちょっと!」
編集長が皐月さんの取材ができるってすごい上機嫌のまま、送り出してくれた。
悠月さん、今‥‥あなたから受けた同情の目の意味が、すごい現実味に帯びてきました‥w