選択肢


学校で待つ

自分のこと












「○○!おはよ」


いつもの電車に乗ると、いつものようにマキちゃんがいた。


「おはよう‥」


「なに?朝から元気なくない?」


「そういうわけじゃないんだけど、なんか今朝から目覚めが悪かったって言うか‥」


昨夜、寝る前にあれこれ考えすぎてたせいか頭がまだ混乱してるみたい。

今日も学ラン男子は同じ車両に乗ってきて、ちらっとこちらを見るけど、それだけで何もない。

学校について、みんなが今日も乗ってきた?大丈夫だった?って聞いてきて、マキちゃんがすごく嫌そうに言うんだけど‥‥ちら見してるだけじゃーん;;


「だって‥なんか怖いんだもん」


(こわい‥か。本当はあの人、優しい人なのにな‥)


「で、どうすんの?返事」


「え?あ、うん‥」


「どうするもなにもないよね?断るよね?」


「あんな怖そうな不良だよ?なしでしょ」


相変わらずみんなは否定的。


「本当にみんなが言うような人なのかな‥?」


「え?」


沙織ちゃんをはじめ、3人ともびっくりしたようにぽかんとなった。

昨日のベビーカーの話をすると、みんな信じられないって顔をする。


「でも本当なんだよ。みんな振り向きもしなかったのに、戻ってきてまで手伝ってあげてたんだよ?」


「‥‥優しい人‥なのかな‥?」


「私もそう思った。見た目だけで不良とか、怖い人とか決め付けるのは良くないよ」


「そうだね。確かに○○の言うとおり」


みんなはそれを聞いて、見た目だけで不良とかいったことをちょっと反省。

そういえば、電車で中年のおじさんに絡まれたときも助けてくれようとしたのはあの人だけだったし‥と見てみぬふりしない人なんじゃないかなというと、なんだ、もう惚れちゃったの?ってww

にしても、電車でたまたま一緒だった人に告白される‥って現実にあるのかな‥‥てか、ちょっと好意を持ってても言って来ないよね、今時の男子は。

あっても数人で来そう。

いろいろ考えて、返事だけはしようと思うものの、なんて返事をすれば‥って行き詰ってしまう。

翌朝も同じ車両に乗ってきた。

昨日のことから、マキちゃんの態度はだいぶ柔らかくなってた。

今日も今日とて二駅前の駅で降りるあの人。

返事しなきゃ‥と思ったら、ついその駅で降りてしまった。


「○○!?」


マキちゃんが叫ぶのと同時にドアが閉まる。

学ラン男子は主人公に気づかないままホームを歩いていってしまうので、思わず大声で呼び止めると周りの人たちの視線が釘付けに‥w


「‥!!」


主人公に気がつくと、すごく驚いて目を見開いた。

人が多い朝のホームでお互い凍りついたように固まる。

周りの人たちが好奇の目で見ながら遠ざかっていく。

その波に逆らうように、こっちに向かってくるあの人。


「‥‥どうした?」


ガチガチになってうつむいてると、頭上から彼の低い声が落ちてきた。

きゃ~~ww(*^.^*)


「あ、あの‥、へ、返事を‥したくて‥」


「‥あ、ああ‥‥」


ぎ、ぎこちない返事に決心が揺るぎそうになる。


(でも‥、頑張って言わなきゃ‥)


「と、友達からでよければ‥‥お、お願いします!」


なんて言おうか散々悩んで決めたのが”友達から”という返事だった。

何も知らない人だし、まずは友達になって、いろいろ知っていければいいなと思って‥。


「‥‥」


彼は無言のまま立ち尽くしていた。

そっと見上げると、無表情なくらい呆然とした顔。

中途半端だったかな‥と心配になりかけたそのとき。


「‥OKもらえるとは‥思わなかった‥」


(え‥‥)


Kaleidoscope-KC3R0002.jpg

めちゃくちゃいい笑顔やんけーッ!!!wо(ж>▽<)y ☆


(わ‥こんな顔して、笑うんだ‥)


初めてみる笑顔に、ちょっとどきっとする。


「よ、よろしくお願いします‥」


「‥こっち‥こそ、よろしく‥」


駅のホームの真ん中で愛を叫ぶ?ヘ(゚∀゚*)ノw


「そ、そういえば、名前‥」


「‥ああ、俺、山本。西鎌二年の山本颯太」


「山本くん‥っていうんだ‥。あ、私は○○‥」←苗字ね


「○○」←そして名前


「え?」


フルネームを名乗る前に下の名前を言い当てられた。


「‥いつも、もう一人の子が‥電車の中で、でけー声で呼んでるから‥」


あー、なるほどw

呟くように苗字を言い、はにかむような笑ったw

とりあえず、連絡先を赤外線で登録。

そんなことしてたら、次の電車が‥‥でも、遅刻確定なわけね、あらら。


「やべ‥、俺も遅刻だ」


二人で顔を見合わせ苦笑い。


「学校終わったら、迎えに行く」


「え‥?」


「校門のところで待ってる」


わざわざ学校まで来てもらうのは悪い気がしたけど、お願いすることにした。

ホームに電車が来て、少し名残惜しみながらもバイバイ。

着いたらメールしてくれるってw

んでもって姿が見えなくなるまで見送ってくれるし!!

ひゃーwなんかすごい甘酸っぱい青春感がするわー!!!w

場面代わり学校。


「けどマジびっくり!いきなり電車降りるんだもん。しかもOKしてきちゃうなんて!!」


昼休み、みんなと今朝の話になった。


「やるじゃん、○○」


「○○って意外と大胆なんだね‥」


なっちゃんも、公式では恋には大胆だっていってたけど‥‥一体誰ルートで出没するんだろうか‥w


「はは‥、自分でも不思議。なんであんなことできちゃったんだろ?」


ラブパワー?w

沙織ちゃんにもそう突っ込まれ、思わず顔が赤くなる。


「ったく。遅刻して先生に怒られても、デレデレの顔してたもんねー」


「そ、そんな顔してないよ!」


「してた。幸せオーラ出まくりで」


(‥は、はずっ‥)


「このこのこのぉ~!あたしより先に彼氏作っちゃってさー、ずるーい!!」


まだ彼氏じゃないよって言っても、告白されて友達からって答えたらそれはもうOKってことでしょー!と言われてしまう。

颯太くんもそう言ってたしねw

てか颯って漢字が打っても出てこないんですけど、うちのパソコン‥!!

学校終わったら迎えに来てくれるっていう話をしたら、マキちゃんがすごい羨ましがった。


「けどさ、私、男子と一緒に帰ったことなんてないし、どうしていいのか‥」


「よし!じゃあ、今から作戦会議ってことで!」


「作戦会議?」


「そ!○○が初めての彼氏と、楽しく仲良く帰れるための作戦会議!」


心が準備ができていいかもとどんな話をするの?って聞かれて、選択肢。


自分のこと

天気のこと


なにこの選択肢‥!w


「自分のこと何か話して、少しでも知ってもらえるようにしたほうがいいかな?」


「いきなり自己主張しちゃうの?」


「え‥、ま、まずい‥?」


「私はそれでいいと思う」


「‥恋愛の達人はそう言っております!」


大学生の彼氏さんがいるって書いてたけど‥‥もしかして出てくるのかしらん?ww


「会話はそれで引っ張るとして‥あとは‥」


「‥やっぱり並んで歩くんだよね?」


そこから!?

いつの時代の奥さんだよっw

距離感が分からないというと、会話がしやすい感じの距離感、自然でいいってことになった。


「ていうかさー、手、つないじゃえ!」


「えっ!?ムリムリムリ!いきなりそんなことできるわけないじゃん!!」


「一歩だの、半歩だの昭和の女じゃないんだからさー」


「まあね、手ぐらいつないでも何の問題もないよね」


あのー‥名目上彼氏でも、今までまともに話したこともない相手といきなり手を繋ぐってことが唐突過ぎておかしいってことを主人公は言いたいんだよww


「一気に仲良くなるチャンスじゃん。男はスキンシップに弱いから」


「決まり!今日の目標は手をつなぐこと!いいね!?」


いやいやいや!!積極的すぎると引いちゃう男の子もいるから、ね!?

ほとんど上の空のまま放課後になり、マキちゃんたちも揃ってメールが来るのを待ってる。

内容は今着いたの一言しか書いてなかったんだけど、主人公は心臓が飛び出るくらいドキドキw

早く行かなきゃいけないのにドキドキしすぎて駆け出すことができない‥ってかわゆすww

高校生でこんな純粋な恋愛をした子、周りにいたかなあ‥