選択肢


黙り込む

頭を撫でて褒める












隣の席に座っている編集者が大きくため息を吐いた。


「ため息出てますよ。幸せが逃げちゃいますよー」


「だってさー、せったく用意した特集の撮影、バラすのが大変でさあ‥‥ほら、急に変更になったじゃない?5人のイケメンの特集のトコ」


(未来くんの特集記事のトコか‥)


「どうしてこんな急に変更になったんでしょう?」


「編集長もよくわからないって、教えてくれないんだよね。スポンサーの関係っぽいけど」


圧力かけたな、未来くんw

編集者がほんとめんどくさーいと嘆くと、電話が鳴った。

未来くんからで、今日の取材の場所を変更したいって。

とりあえず六本木の駅前集合で、そこから車で移動すると。

言われたとおり言ってみると、連れてこられた場所は都内の遊園地‥


「一度、やってみたかったんだよね」


「‥‥‥‥」


主人公!?どうした!!?

はしゃぐ未来くんを横目に、どうして自分がこういう状況におかれているか冷静に考えてみた。

主人公達は、ジェットコースターの先頭に乗っている。


「‥‥未来くん、何度も聞いてるけど、どうして私達、遊園地で遊んでるんだっけ‥?」


「もー、だからぁ。これも取材のうちだよ」


「どこがどう取材なのか教えてッ!じゃないと私‥」


「ほら、上から見る景色ってきれいだよね」


下に広がる緑と太陽に照らされてぴかぴか光るアトラクション、真っ青な空。

そんな景色も、ジェットコースター自体も嫌いじゃない。


(だけど‥‥もう5回連続なんだけど!)


!!!!!?∑(゚Д゚)

え、実際そんな連続で乗ったら吐く‥よ、ね‥?


「キャーーー」


主人公の絶叫は、ジェットコースターの騒音でかき消された。


「うっ‥」


(気分が悪い‥)


ですよね。

そうなるわw

ベンチでぐったりしてると、未来くんはソフトクリームを買ってきてくれた。

今回は確信犯ではない様子。

どうやら”今日こそ2時間以内に20回連続でジェットコースターに乗るって夢”を叶えたかったらしい。

未来くん‥‥中身が出るよ、いろいろと。

死んじゃうよ!?


「あっ、チャレンジするのに少ないよね?でも○○ちゃんもいるし、無理できないかなって」


(それって、ここでダウンしなかったら、20回乗らされてたってこと!?)


「未来くん、何を目指してるの‥??」


「最終的には、100回連続チャレンジを目指してるよ!やっぱりそれくらいジェットコースターは乗らないとね」


それこそ、内臓物が破壊されます、やめなさい本気で。

私なんか2回連続でもう気持ち悪くなるのに‥;;


「‥‥100回連続チャレンジ、成功するといいね」


そこは応援するとこじゃねえよっ!!w


「ソフトクリームおいしい?」


「‥うん。ちょっとさっぱりした。未来くんはソフトクリーム買わなかったの?」


「うん。僕は‥」


アイスを持ってる主人公の手に、未来くんの手がそっと重なる。

そしてもう片方の手で主人公の首筋にふれた。


「‥‥食べちゃいたいな」


未来くんはにやりと意地悪く笑い、主人公の髪の毛をすくって背中に垂らすとあらわになった首筋に向かって大きく口を開いた。

!?これヴァンパイアの話じゃなかったよね!?

‥と思ったら、ふっつーにアイスをぱくり。

黙っていると、なーんか未来くんの腹黒的なところがちらりw

主人公は僕がしてほしい反応をしてくれるから楽しいって。

主人公はちょっとイラついて、アイスを一気に食べた。



遊園地の後は水族館へ。

さっきのことでイライラしてたけど、気持ちがずいぶんと落ち着いた。

未来くんは仕事や試験が終わった後に来ると、ほっとするんだって。

ってことはよく来るのかな?

主人公もこういう場所は好きだけど、小さいころの夏のイベントで蛍を見たことがあって、そのときのことが印象に残ってるって。

この水族館でも夏の間は見ることが出来るから、夏になったら二人で見に来ようよ!と誘ってくれるけど‥‥それまでにいかに好感度を上げるかが勝負だな‥っ!←

そう言って、未来くんは主人公の手に自分の手を滑り込ませた。


(‥‥え)


「未来くん、手‥」


「何かおかしい?」


「え、えーと‥‥仕事中だし‥」


「いいじゃない。二人しかいないんだし。ほら、手を繋いでるほうが、僕をしっかり捕まえられていいじゃない?」


「捕まえられてって‥。逃げる予定でもあるの?」


「ふふっ。追われたら、逃げちゃうかも」


(逃げちゃうかもってどういう意味なのかな?)


そのとき、スタッフが万引きだ!捕まえてくれって中学生くらいの男の子たちがショップから飛び出してきた。

おいおいー;;学校で問題になるぞ。


「○○ちゃん、ゴメン。ちょっと行って来る」


未来くんは楽しそうに男の子たちを追いかけていった。

走るのが速くて、あっという間に三人を捕まえて縄で縛る。

え、なんで縄持ってんの!?どこに隠してた!?

スタッフに三人を引き渡し、帰ってきた。


「ごめんね、○○ちゃん」


「どうして謝るの。いいことしたんだから、謝る必要なんてないよ」


「‥そうかな?」


未来くんははにかむように笑う。


(未来くん、照れてる。ちょっと褒めてあげようかな?)


主人公は未来くんの頭を撫でてあげた。


(うわ、未来くんの髪の毛やわらかーい‥)


「‥‥‥」


あれ、反応ナシ?


「未来くん‥?」


顔を覗き込んだら、真っ赤になって固まっていた。



Kaleidoscope-101106_0830~02.jpg

照れ顔キタ━━━(゚∀゚)━━━!!!!!!


「ど、どうしたの?」


「ゴメン。こういうことされるの慣れてないから‥‥どう反応していいのかわかんない」


(それって‥‥お父さんやお母さんは?)


疑問に思ったけど、あまり深く聞かない方がいい気がして。

代わりにもう一度だけ彼の頭を撫でてみた。


「未来くん、えらかったよ」


未来くんは主人公の手を握って歩き出した。

これ、選択肢によってだいぶ違いますね‥w

えらかったねと褒めるを選ぶと、最初はちょっと驚いたような感じですぐに元に戻っちゃうんですよね‥

ていうか、もしや両親がKey?


「○○ちゃん。ご飯、食べに行こ」


「あ、うん‥」


彼の背中を見ているだけで照れているのが伝わってきて、未来くんに気づかれないように笑った。

レストランで食事したんだけど‥‥結局遊んでばっかで取材が;;

記事間に合うかなとため息をつくと、取材はばっちりだったでしょ?って。

いやいや遊んでただけじゃないかww


「そうか、○○ちゃんに説明してなかったね」


なにを?


「今日行ったところ、全部僕の会社が出資しているところだったんだよ。もちろんこのレストランも」


な ん で す と ! ?( ゚-゚)( ゚ロ゚)(( ロ゚)゚((( ロ)~゚ ゚

主人公は一瞬、何を言われてるのか分からなかった。


「僕、一応お遊びで会社経営してるんだけどさ、楽しそうなところにはつい出資したくなっちゃうんだよね」


「ベンチャー企業の社長だとは聞いてたけど‥‥経営なんてすごいね」


「あ、でも経営は全部任せちゃってるから、ただお金出しただけ。だからそんなに偉くないよ」


あんっ!?

じゃあその経営任せてるのは‥?

このくらいなら誰でも出来るっていう話してたら、未来くんの携帯が鳴った。

どうやらヒーローを気取りに行くらしいんだけど‥‥え、仮面ライダー○○!?(違


「ホント、ごめんね。あとここは僕のおごりだから」


「ええ!?私、払うよっ」


一応年上だし!!


「○○ちゃんの食べっぷりを見てて、こっちまで幸せな気分になれたから今夜はおごらせて?それに今日のデートのお礼も兼ねてね」


「食べっぷりって‥。そう言われると、なんだか複雑だよ?」


「だってこんなおいしそうに食べる子、なかなかいないよ?僕までいつもよりおいしく食べてる気になったもん」


「そう‥‥ありがと。じゃあ、お言葉に甘えるね」


「うん!じゃあまた明日」


「うん。行ってらっしゃい」


未来くんは主人公の言葉に、一瞬はじかれたように主人公を見上げた。


(あれ。私、また変なこと言っちゃった?)


「‥‥うん。行って来ます!」


未来くんは満面の笑みを見せて、手を振りながらレストランを出て行った。



次回予告。

大学のキャンパスを取材!

でもまたまた未来くんに振り回されて‥‥また!?


「僕、本気で○○ちゃんのことが‥」


いやいや、思いっきり意地悪顔ですけど!?

次はスチルが来るようですが‥‥これは‥なにかどこかで見たような‥?