選択肢

食べるの専門です
ぜひご一緒させてください













わけがわからないまま悠月さんの担当になり、大手手料理教室のイベントでホテルに来ていた。

「どうして悠月さんが料理教室のイベントに?」

「俺、結婚したい男No.1だから」

「はあ‥それとどういう関係が‥」

「北大路悠月って意外と家庭的♪ってことをアピールしたいんだろ」

「したいんだろ、って他人事ですね」

「事務所の方針だし。俺、別に家庭的じゃねーし」

芸能人ってやっぱ作ってるんだろうな、自分を。
売れるためには仕方ないことなのかもしれないけど。
それに次回の月9のドラマで仕事と家事をする男の役も決まってるから、そのイメージ作りでもあるみたい。
悠月さんが会場入りして、主人公はデジカメを手に撮影。
司会者の質問に業界スマイルを浮かべながら答えていく。

「北大路さんご本人は、どのような料理がお好きなんですか?」

「んー、やっぱり肉ですかね。スイーツとかもまあ食べますけど、甘いものはそんなには」

(‥え?あんなにイチゴジャムつけて食べてた人が?)

思わず吹き出しそうになる主人公、こらえてー!!!
イベントが終わり、控え室に行く途中デジカメを落とす主人公‥‥‥え、これなにかの伏線?
でも壊れてないみたいって言ってたけど‥‥‥まさか今後写真撮れてないとかそういう‥?
控え室に行くと、悠月さんがうなだれていた。

「マジ疲れた。あんな面倒なこと毎日やってる奴とか信じらんねーな」

「料理のことですか?作るのが好きな人は凝った料理とか自分で考えたりするくらい好きですよね」

「お前は?」

「私は‥‥食べるの専門です」
「あー、そんな感じ」

「‥微妙に失礼じゃないです?」

「だって‥ククッ、食べるの専門って‥」

現代の女の子に急上昇中だけど、きっぱり言う人は珍しいよねw

「あ、そういえば!さっき悠月さん甘いものはそんなには、とか言っちゃってイチゴジャムは甘いものに入らないんですか?」

ちょっと意地悪く反撃してみる。
意地悪の限度がちょっとにも満たってない!
それからあの‥‥なんだっけ、中園なんとかが執拗に絡んでくるらしいから免疫つけとかないと破壊されるよ、心が!←

「俺は甘いもの好きってキャラじゃねーだろ」

「そうですか?イチゴジャムたっぷりのパン食べてる悠月さん、かわいいって思いましたけど」

はっ‥‥なんかハムスターみたくおいしそうに食べる悠月さんが能内に!!(*´艸`)

「かわいいとか言うな」

ちょっと慌ててるw

「‥自分じゃない別人みたいに振る舞って、周りの奴らをあざむいてる方が楽でいいんだよ」

つまり、適当に愛想笑いしてれば物事がうまくいくことが多い、ということか‥‥でもストレス溜まりまくると思うんだが。

「そういえばこのあと兄貴と飯食う予定なんだけど、お前も来る?」

もち行きますー!!!(`・ω・´)ゞ
悠月さんの車で赤坂のレストランまで送ってもらった。

「悠月!」

お店の前に停まっていた黒塗りの車から皐月さんが出てくる。
皐月さんと目が合い、改めて自己紹介すると先日のことをまた謝られた。

「でも、どうして二人が一緒に‥もしかして、あの日がきっかけで?」

いや、あのー‥たぶん一週間も経ってないと思われるのですがw

「なっ‥そ、そんなわけねーだろ!」

事情を説明すると、まあそういうことにしておいてあげるよってお兄さん‥w
店内に入ると、二人の姿を見てにわかにざわつき始めた。

(やっぱり目立つよね‥悠月さんはもちろんだけど、皐月さんも貫禄って言うか。大人の魅力って言うか‥‥自然と目を引いちゃう)

席に着くと、主人公の分までオーダーしてくれた。
目の前でお肉を切ってくれたりとかいちいち主人公の反応がww
支配人まで出てきてにこやかに会話してるので、シャッターチャンスとばかりにデジカメを向ける。
それ、本当に作動してるだろうな?w
何枚か写真を撮り終えると、今度は記事のネタのために二人を観察する。

「悠月さん、お肉が好きだって言うのは本当だったんですね」

「なにが?」

「甘いものはあんまり、なんて嘘ついてたからお肉が好きだって言うのも嘘かと思ったんですけど」

「肉が嫌いな男なんていねーだろ」

残念ながら、あまり好きでない人がいるよ。
一口食べたらもういいって差し出すような人がw

「お前は普通の人より肉好きだと思うけどね。アメリカだろうが香港だろうが遊びに行くと最終日は迷った挙句、結局ここのブランチに落ち着くじゃないか」

「うっせーなあ」

アメリカの肉がでかい割りにまずいとよく聞くけど、実際はどうなんだ?

「○○さん、遠慮しないで召し上がってくださいね」

「あ、はい!頂きます」

「他にも何か頼もうか。あ、女性がいるのにサラダのひとつも頼んでないなんて気が利かないな、私も」

「あの、私のことはお構いなく‥オマケだと思っていただければ」

「ぶっオマケってお前」

だから悠月さんはいきなり笑いのボーダーラインが低いってw
それからサラダとヨークシャープディング、シャンパン、ベイクドポテト、ワイン‥‥ 頼 み す ぎ !Σ( ̄□ ̄;)

「デザートは後でいいか」

やっぱり甘いものは食べるのねw

「なんだよ、お前は食わねーの?」

「‥別腹ですよね」

「女ってみんなそういうのな」

デザートを食べると思うと胃が活発になって空腹になったように感じるらしいw

「お前、グラス空いてんじゃん」

「○○さん、グラスが空ですよ」

兄弟が同時にグラスにシャンパンを注ごうとする。
なんだこのうらやましい光景w

「‥兄貴、注いでやって」

「ああ。○○さん、シャンパンでいいですか?それともワインにしましょうか?」

「あ、すみません!じゃあ、シャンパンを‥」

(悠月さんも注いでくれようとしたんだよね。気を使ってくれるなんて、ちょっと意外だな‥)

「悠月さん、ありがとうございます」

「‥別に」

ありゃ、なんかちょっと不機嫌。

(どうしたんだろう?私が皐月さんにグラスを注いでもらったから?なんて、そんなわけないか‥)

帰りも悠月さんの事務所の車で家まで送ってもらった。

「ふーん、こんなとこに住んでるんだ、お前」

「はい。別の編集部で働いてる友達と一緒に。風子っていうんですけど」

その子も途中からライバルになったりすんのかな‥
一応会社はライバルなわけだし。

「マジで?よく他人なんかと一緒に住めるよな」

「住めば都ですよ」

「お前、いちいち言い回しがおもしろいんだよ」

なんか‥ここまでくると、関西人と関東人の違いのように思えてきた‥
東京の人が大阪の人と話すとこうなりそう。
それで、明日はアニメ映画のアフレコが近々あって、そのミーティングみたい。
来たよ‥芸能人が声優のマネするの‥‥私、アニメは声優が声するものだって思ってる派なんで、こういうのあまり好きじゃないんですよね‥
声優だってちゃんとした仕事なのに、芸能人がやったら注目されるからって芸能人が起用されるのとかなんかいまいち納得いかないというか。
ここ泣けるところなのに感情がこもってない!ってなることがあって、残念に思うことがよくあるんですよねー‥

「その後は‥まあ、あれは別に行っても行かなくてもいいか」

「なんですか?」

「次のドラマの主題歌歌ってるバンドのライブに呼ばれてんだよ」

「なんてバンドですか?」

「イエロウテイル」

変 換 し に く い ‥ !!!!!
主人公はそのバンドのボーカル、輝美さんの売れる前からの大ファンらしく、ぜひ一緒させてください!と頼むと、まだ行くって決めてないって。
主人公、仕事に私情挟まないようにしようよw

「‥んな顔すんなよ。わかったよ、行きゃいーんだろ」

「え!い、いいんですか、私がついていっても」

「なんで俺がしぶしぶいくと思ってんだよ。お前が行かなきゃ意味ねーだろ」

もう二日目時点でこんな‥ww
その代わりイエロウテイルの曲とか全然知らないからなって。
デビュー曲から最新曲までそろえてる主人公‥純粋にすげえ。
悠月さんが呆れながら、車に乗って帰っていった。
そして次回予告でその輝美さんのドアップが見れるんですが‥‥なんか、絵描いてる人違う気がする‥‥
そして服装がなんだか気になる‥それは白いやつを重ね着してるのか、それともTシャツ一枚なのかどっちだー!!w
一枚だと完全に私の寝巻きの一部と一緒だぞw