選択肢

ことのは≪求婚≫
まだ返事をしていません












政宗さんから求婚された翌日、城の中と外では、盛大な祝賀会が行われていた。
朝から大騒ぎになっていて、みんな勝利に酔っている。

(政宗様になんとお返事したらいいのかしら‥)

求婚されたことは嬉しい。でも家のことを考えると‥の堂々巡り。
小次郎に求婚されたこと、小十郎さんに言われたことを話す。

「成程。自分の娘を政宗さんに輿入れさせて、伊達家に取り入りたいというわけだな。」

小次郎は何かに気づいて立ち止まった。

「あそこにも娘を連れてきた武将がいる」

よく見れば、宴席に招待された武将の中に、年頃の娘を連れてきた者が多い。

「この機会に政宗さんに娘を売り込むつもりなのだろう」

もしも求婚を断れば、政宗様はあの中の姫から奥方を迎え入れるかもしれない。

(そんなことになってしまったら、私は後悔しないでいられるかしら?)

いや、絶対に後悔するだろw
だけど主人公は伊達家に輿入れすると、家を継ぐ者が一人もいなくなってしまう。
父上を悲しませるようなことはしたくなかった。
小十郎さんのいうように、政宗さんとの祝言を諦めたほうがいいのだろうか‥そう思ってると、小次郎が天下を治めても余計なしがらみが増えるだけ。
なら俺は剣の道を進む方が性に合ってるって。
主人公も自分の道は自分で選んでいいんだぞって言ってくれるけど、どうしたらいいのか分からないでいた。
広間に入ると、大勢の客が上座に座る政宗さんに次々と祝辞の挨拶を述べていた。
列になってんのかよw
主人公と小次郎もその列に並ぶ。
ちょうど二組ほど前に、さっき見かけた娘連れの武将が政宗さんと話しているところだった。
その武将の娘はおなごの主人公から見ても可愛らしい方だった。
政宗さんが杯を持つと、その姫がそれにお酒を注ぐ。
あまりお酒が得意じゃないのに、大丈夫かしら?と心配していると、ふいに政宗さんと目が合う。
途端に無表情だった政宗さんの顔に笑顔が浮かんだ。

「来たか○○、こちらに参れ」

行くけど、さっきの武将の顔が引きつってるよ~;;
小十郎さんがその場を治めてくれたけど、こういうの根に持つ人多いからな~
席に戻ろうとすると政宗さんに引きとめられた。

「お前は俺の隣に居ろ」

「でもこのような席で私が隣にいても大丈夫なのですか?」

「当然だ。○○はいずれ俺の正室になる女だからな」

「そんな‥‥私はまだ返事をしていません」

「俺を焦らして楽しんでいるのか?」

「そんなつもりでは!」

「ははっわかっておる。早く父に手紙を書いて報せろ。なんなら俺が○○家に出向いて、許しをもらっても構わんぞ」

本当にやりかねないので、返事が来るまで待ってと言った。

「○○を落とすのは、天下を獲るより難しい」

豪快に笑う政宗さんを見て、小十郎さんが渋い顔を‥
宴が進むにつれ、入れ替わり立ち替わり客人が政宗さんに酌をしに来る。
あー‥結構きてるよ、これ;;

「そんなに呑まれて大丈夫ですか?」

「正直、今すぐここから逃げ出したい」

ですよねーw
政宗さんを広間から連れ出すため、主人公が一芝居うってその場から離れることになった。
さすがにこんな席で酒に酔ったなんてみんなに知られるのはイヤだしね‥
政宗さんじゃなくても嫌だよ(笑)
廊下に出ると、小十郎さんが駆けつけてくる。
お酒を呑み過ぎてこのまま部屋に運びたいというけど、広間に居る人達に変に思われないように小次郎と剣で競うことになったっていうことにすることに。
再び歩き出そうとすると小十郎さんが頭を下げるのが見えた。
部屋に入ると、政宗さんが小十郎の奴も珍しいことをするものだって。

「あいつは堅物で、おなごは後継ぎを産むしか能がないと思っている。よほどお前の機転に感心したのだろう」

お酒に酔っているせいか、絡むような目つきをされた。

「まさか小十郎に送られる途中でなにかあったわけではないだろうな?」

「まさか‥‥嫉妬しているのですか?」

政宗さんが一瞬顔を赤くして、照れ隠しのように髪を掻きあげられた。
その様子が可愛らしくて、主人公は思わず笑ってしまう。

「それではなぜ、宴の最中浮かない顔をしていたのだ?あいつに何か言われたからではないか?」

答えずにいると、急に膝の上に政宗さんが頭を乗っけてきた。

「ま、政宗様っ」

「あいつは伊達家を一番考える男だ。何を言われたか知らないが、あまり気にするな」

「でも伊達家と○○家では格が違いすぎます。私が政宗様に嫁いでも良いのでしょうか?」

「家柄など関係ない。俺が欲しいのは○○だけだ」

「政宗様‥」

「俺がこうして無防備な姿を見せられるのは○○の前だけだ」

政宗さんは気持ちよさそうにまぶたを閉じ、主人公の手にそっと自分の手を重ねられた。

「お前のことは俺が守ってやる‥‥だから安心して俺の元へ嫁いで来い」

優しい言葉に思わず涙が出そうになる。
やがて静かな寝息が聞こえてきた。
主人公の膝の上で、安心しきったように眠る政宗さんの姿に愛しさが込み上げてきた。

「このまま時が止まってしまえればいいのに‥」

今しばらく、伊達家のことも自分の家のことも忘れて、普通の恋人同士のように愛する政宗様のお傍について行きたかった。
なんかいうかほんわかするわ~w