選択肢

起きてます
はい













その夜、私たちは施設の二段ベットで寝る事にした。
これからのことを考えるとなかなか寝付けないでいると、そらさんがベットから下りて近づいてくる。
!?新しい私服!?

「眠れない?」

いたわるように頭を撫でてくれる。

「まあ、眠れなくても仕方ないか」

「‥‥」

「今日は色々あったもんね。ねえ、ちょっと出かけてみない?」

「え?」

「とっておきの場所があるんだ。一緒に行かない?」

懐中電灯を持って裏山を歩く。
お約束ながら、主人公転びましたw
そしてそらさんを押し倒すような形にw
役得って笑うけど、服大丈夫か?
目的の場所に着いたみたいで、最後は目をつむって連れて行かれる。
目を開けると、満天の星空が待っていた。

「星が今にも降ってきそう‥」

「東京は街のあかりが強すぎて、こんなにすごいの見ること出来ないもんね。さ、座って座って」

野原に腰をおろして、星空を見上げる。

「星空、詳しい?」

スチルキター!!!!!!っていうか、こう見ると、ほんと美人さんだなw←
それからそらさんの星講座が始まった。
夏の大三角形とかさそり座はどことかはくちょう座がなんとか‥
そういや、小学校の頃そういうのが宿題で出たな~‥懐かしいw
どうやら星のことを教えてくれた人がいたようです。

「昔々、たくさんの他の虫の命を奪って生きてきたサソリがいたんだ。さそりはあるとき井戸に落ちて、たったひとりで死んでしまいそうになる。井戸の底で死ぬ瞬間、さそりは自分が結局誰の役にも立てずに死んでいこうとしているってことに気付くんだ。他の命をたくさんもらってきたのに、自分はこんな暗いところで 誰にも何も与えられないまま死んでいくんだってね。そしてさそりは最後に神様に祈るんだ。『自分の人生は虚しい。今度生まれ変わったら、本当のみんなの幸せのために、この命を使ってほしい』って」

「あ、それ、『さそりの火』の話ですよね、『銀河鉄道の夜』の‥」

「そうそう」

って、実際の物語か!?いい話を作るなって今感心してたんですけど‥

「その人がね、よく言ってたんだ。『さそりは自分の行きたいように生きてきたけど、結局最後に自分が幸せだって思えなかった』って」

「‥‥」

「『だからお前も、本当の幸せって何か、よく考えるんだ』ってね」

「本当の、幸せ‥」

「俺、あまり難しいこととか分からなかったんだけどさ、さそり座を見るたびに、そのこと、思い出すんだよね」

「そらさん‥」

(なんか私、そらさんのことで知らないこと、まだまだたくさんあるんだな‥)

「今度はさ、冬に来ようよ。冬の星座も面白いよ。オリオン座とか‥」

「‥‥」

「○○ちゃん?」

「このまま‥ここにいるのもいいですよね」

「え?」

「夕方は海に出かけて、夜は星空を眺めて‥」

「ははっ」

「でも東京と違って不便だよ、ここ」

「そんなことないです。素敵です。海も夜空もこんなに綺麗だなんて」

(このまま東京に戻らないで、そらさんとここまでずっと‥」

「不安だよなあ。いきなり空き巣に入られたり、首相官邸につれていかれそうになったり‥それじゃあ、東京に戻るの、怖いもんなあ」

いえ、私は今、本気で田舎暮らしに憧れてます。←
今は、桂木さんやみんなにいろいろ探りを入れてもらっているらしい。
んで、前回の電話は海司からで、休職届が受理されたってことだから、今そらさんは休職中。
なにもかも大丈夫だって分かったら、東京に戻ろうって約束した。

「ははっみんな、羨ましがってるみたいだよ?好きな子と二人きりで旅行なんてさ。ああ、俺、SPになってよかった」

「‥‥ありがとう、そらさん」

ツンと鼻の奥あたりが痛くなる。

「あ~ほらほら、泣かない泣かない」

「はい‥」

「泣くと、キスしちゃうぞ~」

「‥‥‥じゃあ、いっぱい泣いちゃおうかな」

主人公、なんか積極的な発言が多いですねw

「ええっ?そうくる?」

ちゅっ!
軽いキスが私の目じりに落ちてくる。

「どう?涙、止まった?」

「‥‥」

「ははっまだ駄目?」

「‥はい」

「じゃあ、もう一回!‥って言いたいところだけど、そろそろ言い時間だし、帰ろっか」

「もうですか?」

「うん。あのチビ達、朝早いからね~。
6時になったら一斉に部屋に乗り込んでくるから」

6時!?

「‥じゃあ、もう寝ないと、ですね」

「そういうこと。というわけで、お手をどうぞ、お嬢様」

おどけて差し出してきたそらさんの手をそっと握りしめる。

「それにしても、6時に起床って‥みんな元気なんですね」

「うん。しかもあいつら、ベットにダイブしてくるんだからさあ」

やったやったw
お父さんのお腹めがけてどしん!とw
でも孤児院に着いた時、あのイケメンの新キャラが!!
いつの間にか玄関の前に人影、背後にも。

「あいにくだけど、君たちをこの建物の中に入れることはできないんだ」

「誰だ、お前。素人じゃないよな?」

「あれ?自己紹介って必要なの?広末そら」

「!!なんで俺の名前‥」

「原田さんから聞いてるからね。いろいろと」

「!」

「そらさん、この人です!例の官邸で会った人‥」

「なんだ、覚えてくれてたんだ?○○さん」

「お前、何者なんだ!」

「民間のSPって言えば聞こえはいいけど、まあ、実際は『便利屋』みたいなもんかな?」

「誰に雇われた?」

「クライアントについては、守秘義務あるんで」

「言う気なし‥ってか。だったら、言わせてやろうじゃねえか‥っ」

ガシッ

(え?そらさんの拳受け止めた!?)

「怖いなあ。さすが元ヤン。ずいぶん手が早いじゃない」

「お前‥っ」

「でも俺、あなたたちと喧嘩するためで来たんじゃないんだよね」

「どういうことですか?」

「お迎えに来たんだよね。あなたたちを」

あ、予告の時に出てた表情と一緒。

「え?」

「ふざけんなよっ」

「ふざけてなんかいないって。っていうか、ふざけてるのはそっちの方でしょ?広末さん」

「!」

「警護対象者だって分かってる相手を、こんなふうに勝手に連れまわすなんてさ。こういうのって、警察だと処分の対象になっちゃうんじゃないの?」

(処分?そらさんが?)

まあ、あんな風にみんなの前に連れ去っちゃあ‥ね;;

「それとも、なに?こんなことしてまで、原田さんに構ってもらいたかったの?広末さん?」

「‥ふざけんなよ。なんで桂木班の俺が原田さんに構ってもらわなくちゃいけねーんだよ」

「そう?じゃあ、そういうことにしておこうか」

‥なんか、ぴんと来てしまった‥

「まあ、でもとりあえずさ、そこに車用意しておいたから。ついてきて」

なんか腹黒そうだな、この人‥妖しげに笑ってるし。
動物でたとえるなら狐の類だわ‥

「断る」

「そう?でも、ここでついてこないなら、施設の子たち、どうなっちゃうんだろうねえ?」

やっぱなんか黒いー!!!

「‥っ」

「言っとくけど、脅しじゃないから?俺ら、あなたと違って民間人だからなんでもできちゃうし?」

「くそ‥っ」

「ってことで、どうぞお二人さん?後部座席へ」

真っ黒な車に乗せられる。
私たちはただ、その指示に従うしかなかった‥。