おはようございます

タイトルの通りのアンケートが高校から送られてきました

 

 

県立最上位の男子校、女子高への個別アンケートは既になされていて

今回は対象を拡大したこと、とくにこれから高校に入る中学生たちの回答を

求めていることが注目されています

 

まず21年ぶりに蒸し返されたこの問題です(2023.9.1の記事)

 

これに対して県立のトップ男子校が主導となって署名活動を始めました

そして反対派の意見が県に提出されたのが昨年度末、2024年3月のことです

 

4月に入って議論は過熱しています

 

賛成派の記事が出れば…

 

反対派の記事が出て…

 

リベラルを装った記事も出る…でも「共学化の流れ」なんてありません

『卒業生から「は」反対の声「も」』とか…このタイトルは悪質ですね

タイトルからは反対派の方が弱く見えますけれど実際は逆です

圧倒的に反対派が多いんですよね、20年以上前からずっとそうです

 

ところで…

戦後共学化した都立高校は、その経緯は以下の通りでした

「北関東や東北地方にある複数の県では,公立による男子校・女子校を残す道を選んだことに対し,都立高等学校では,1950(昭和25)年度よりすべての学校で男女共学制に基づいた生徒募集へと移行している。その際,他地域でみられた,共学そのものへの,教員,生徒,保護者からの大きな反対や弊害は報告されていない。都立高等学校における男女共学の導入が比較的順調であったのは,男女別学を希望するものは,戦前より都内に多数設置され,男女別学のまま新制高等学校へと改められた私学を選択可能であったという,東京の地域的特質が強く関連していたと言える。」

 

東京は地域的特質(私立別学が充実していること)から都立をスムーズに共学化しました。そして北関東や東北の複数県でも地域的特質(私立別学校は充実していないがそれよりも交通の便による選択肢の差)から共学化に舵を切りました。どちらも時代の流れではなくあくまでも地域的特質にあわせての共学化ということです。

 

文部科学省は、共学化にあたっては地域的特質を配慮することとしており、民意をよく聞くことと言っています。ですので、他県がどれだけ共学化しようが、他県は他県ということです。

 

この県では「県立トップ校は古くからある女子校と男子校である」という考えが根強いです。「歴史と伝統のある名門校」と問われれば、いくら理数科を持つ共学校が現在はトップ校だと数字が表していても民意はそのように回答されません。しかしそれでいいと思います。この考えが正しく正当であれば「男女別学校の維持」という方向に行くからです。ところがこの考えが一部歪んでいると感じることがあります。伝統校ではない新興勢力の共学校が「御三家」としてトップの別学2校と肩を並べた、もしくは抜いた、ということを認めたがらない人がいます。「今は共学が人気だから」とか「時代の流れだから」(そんなもんは実力でもなんでもなく流行りである)と共学校の立ち位置を認めないシーンを目にするからです。

 

もちろんそういう場面は、これらの別学校や共学のトップ校と全然関係ないところで行われます。ただ歴史が変わるのが許せない、みたいな考古学的趣味の方々というのでしょうか。そういう人は歴史と伝統を「形式上」重んじているだけで本当に学校のことを想ってなんかいません。「トップの男子校も女子校も流行りに乗って共学化すればいいんじゃね?」「そうすれば新興の共学校をエセ御三家から蹴落とせる」「県立トップの男女別学校が共学化すれば、横浜翠嵐や湘南や日比谷や他県のトップ校に並べるのでは」。

 

歴史と伝統ある素晴らしい別学校が数々残っていることは誇りに思うことです。人気実力ともある魅力的な学校です。変なジェンダー論で解体され、偏差値によって輪切りされた無個性の共学校を量産されることは誰の得にもなりません。まして私立無償化が進む中、金銭的にも教育の質的にも公立は勝ち目がなくなっている中で、歴史と伝統まで捨ててしまったら何が残るのでしょう。

 

と思う次第で徒然と書きましたが、私は別学校出身ですのでこの件には思い入れがあります。小中高大の学生時代16年の中での別学3年間、そこがいかに温室だったか、そして一つの性しかいないことで何でも自分たちでやらなければいけない大変さも学びましたし、男女平等とは男女の性差を認めたうえで尊重し合うことだという想いが強まりました。社会とはあえて違う環境で学んだ別学生活3年間の意味は大きいです。卒業生、在校生、これからの進学希望者など関係各所の意見は尊重されてほしいです。

 

8月には回答書が出るとのこと、どうなっていくのでしょうか、正しく判断されることを見守り続けていたいと思います。