大きな出来事は

何も起きていない


将軍は相変わらずだし

子どもたちは優秀だし


仕事も週に数日 レジに立つ

外側は 何も変わっていない


でも ひとつだけ変わった

私の中の「 評価 」


話が噛み合わないとき

以前ならすぐに思っていた


“ 私の理解が足りない ”


辻褄が合わないときも 

結論が動くときも

“  私が追いつけないだけ  ”


でも今は 少し違う


水が出ていないこともある

それに気づいた


それだけ

 たった それだけだったのに


長く握っていた前提が ゆるんだ 

私は 足りなかったわけ じゃない


私は、ずっとその場で 

一番安全な方法 を選び続けていただけ


いい子でいることは

弱さじゃなかった


ただ 長く使いすぎた技術だった


縁の下から半歩前へ出たとき

誰かの評価が変わったわけではない


変わったのは 私

「 私 ちゃんとやってきたよね 」

そう思えた瞬間 世界の音が少しだけ静かになった


50年間 私は “ 足りない私 ” で生きてきたと思っていた


でももしかしたら

足りなかったのは水のほうだったのかもしれない


ソフィア……