爆発
というほど

大きな音はしなかった

ただ 

長くかかっていた 圧 が抜けた

そのあと煙に包まれた


なにが なんだか 分からなくて
立っている場所も曖昧で

ああ 私いま
前提を失ったんだな と思った


「私が足りない」
それはずっと、当たり前だった


話が分からなければ
私の理解力が足りない


辻褄が合わなければ
私の頭が悪い


空気が重ければ
私が整えればいい


それが私の役目だと思っていた



でも

水が出ていなかったかもしれないと 知った


その瞬間


今までの努力が
少しだけ違う色に見えた


怒りでもなく
悲しみでもなく


ただ 煙


でも不思議なことに
その煙の中に
ほんの少しだけ静けさがあった


自分を責めなくていいかもしれない


という 小さな隙間


爆発は怖いけれど
圧が抜けたあとの空気は
少し軽い


私はいま
まだ煙の中にいる


でも ちゃんと立っている