
毎日あたりまえのように交わしている
「いらっしゃいませ」
「ありがとうございます」
でも ある日ふと気づいたんです
その “ 声 ” が
誰かの元気のきっかけになっていたり「また会いたい」と思ってもらえるものになっていたことに
「 いらっしゃいませー! ありがとうございます! 」
私の声は
今日もお店に響いている
ある日
お客様がこんなふうに笑って言った
「あなたの声、遠くからでもすぐわかるの。お店に入って“あ、ソフィアさんいる”ってわかるのよ」
ちょっと照れくさかったけれど
胸の奥がふっとあたたかくなった
コロナで外出を控える方が多かった頃
「あなたの声を聞くと元気が出るの」
と言ってくれるお客様がいた
中には
私の出勤日をこっそり把握して
お店に来てくれる人もいる
まるで
“ 声のファン ” みたいに
「あなたの元気な声が聞けて安心するの 買い物が楽しみになるわ」
そんな言葉に
私の仕事が誰かの心の灯りになっていることを感じる
声って不思議
言葉よりも その人の気持ちがまっすぐに伝わってしまう
だから私は
何気ない「 ありがとう 」にも 心 を込めている
顔を覚えてもらえなくても
声だけで “ 私” を覚えてもらえるのならそれはとても特別 なこと
今日も
声で誰かとつながれるように
レジの前から小さな元気を届けています
たくさんの
人が行き交う
レジの前
一瞬のやり取りの中に
その人の “ か け ら ” が見えることがある
怒り、寂しさ、優しさ、祈り…
私の手元に
そっと届く
その
ひとつを
高く澄んだ宙から見つめて
そっと
心に重ねていく