⬇前回のブログはこちらからです。
「ななさん、大丈夫ですか?」
その言葉を聞いて、張りつめていた気持ちが少し緩みました。
「……大丈夫じゃないです」
気づけば、そんな言葉が口から出ていました。
「まだ、全然気持ちの整理ができなくて、佐藤さんのことを考えると、どうしても苦しくなっちゃうんです」
「そうですよね……大切な人だったんですもんね」
山本さんは、わたしの言葉を否定することなく、静かに聞いてくれました。
「わたし、佐藤さんと一緒に幸せになりたかったんです、いつか家族になれたらいいなって思っていて……」
そこまで話すと、声が震えてしまいました。
「でも、もうそれは叶わないんだなって思うと……」言葉が続きませんでした。
道端で立ち止まって話すわたし達の横を幸せそうな若いカップルが通り過ぎて行きました。
山本さんは急かすことなく、わたしが落ち着くのを待ってくれました。
「ななさんが、それだけ真剣に佐藤さんとの未来を考えていたんですもんね」
「……はい」
「今は無理に元気になろうとしなくてもいいと思いますよ、つらいときは、つらいままでいい」
その言葉が、ありがたかった。
誰かに気持ちを分かってもらえるだけで、こんなにも救われるんだと思いました。
けれど、山本さんが次に何気なく口にした言葉に、わたしの心はまた揺れました。
次回へ続きます。
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