翌朝目が覚めても、一瞬だけ何も思い出せませんでした。

ぼんやりと天井を見つめて

「あ……」

思い出しました。


昨日、佐藤さんと別れたんだ。

そう思った瞬間、胸が重くなりました。

スマホを手に取る。

当然、佐藤さんからのLINEはありません。

いつもなら朝起きたら、通知が来ていないか確認することが習慣になっていた。

でも、もう確認する理由がない。

そう思ったら、涙が出そうになりました。


「……もう、連絡しちゃいけないんだ」

その言葉が、自分で言っていて苦しかった。

これまでなら

「おはよう」

「今日も頑張ろうね」

そんなLINEを送っていた時間。

これからは、もうそれをしなくていい。


仕事へ向かう準備をしながらも、頭の中は佐藤さんのことばかりでした。

駅まで歩いて、電車に乗って。

いつもと同じ景色を見ているのに、昨日までとは違う場所にいるような気がしました。


仕事中も、ふとした瞬間に思い出しました。

「これ、佐藤さんに話したらなんて言うかな」

そう思って。

あ、もう話せないんだ。

そう気づく。

そのたびに胸が痛みました。


次回へ続きます。