わたしは泣いていました。

一週間。

たった一週間、距離を置いただけだったのに。


その一週間の間にわたしたちの関係は、もう元の場所には戻れないところまで来てしまっていた。

そして私はこのとき初めて知りました。


「好き」という気持ちだけでは、一緒にいられないことがある。

大切に思っているからこそ、離れるという選択をする人もいる。

そして、別れを告げられた側だけじゃなく、別れを告げる側もまた、同じくらい苦しんでいることがあるのだと。


電話を切ったあとわたしは、しばらくスマホを握ったまま動けませんでした。

画面には、佐藤さんとのトーク画面。

そこには今までの思い出が、たくさん残っていました。

「おはよう」

「今日も頑張ろうね」

「無理しないでね」

「会えるの楽しみにしてる」

何気なく交わしていた言葉。

当たり前だと思っていた毎日。

それが全部、今日を境に「過去」になってしまう。そう思ったら、また涙が溢れました。


このときのわたしは、まだ知りませんでした。

佐藤さんとの「少しの距離」が、わたしたちを別れに向かわせただけではなく、この先、わたし自身の生き方や、人を愛するということについてまで、大きく考え直すきっかけになっていくことを。



次回へ続きます。