そこでメッセージが途切れました。

わたしは画面を見たまま、動けなくなりました。

『少しずつしんどくなってきた』

その言葉が胸に刺さります。


佐藤さんは、いつからそんな気持ちを抱えていたんだろう。

わたしの前では笑っていた。

大丈夫って言っていた。


わたしが泣けば心配してくれた。

自分が苦しいなんて、一度も言わなかった。

だから、わたしは何も気づかなかった。

いや、もしかしたら、気づこうともしなかったのかもしれません。


佐藤さんが優しくしてくれることを、当たり前のように受け取っていた。

「ありがとう」

って言いながら、その優しさの裏側まで考えたことなんてなかった。


そして、さらにLINEが届きました。

『自分でも気づかないうちに、限界になってたみたい』

その一文を見た瞬間、涙がこぼれました。


「……限界?」

怖くなりました。

一昨日まで普通に話していた。

わたしのことを気遣ってくれていた。

それなのに、その裏側では佐藤さんの心が少しずつ削られていた。


『だから、昨日LINEが来ても、どう返したらいいのか分からなくなった

返さなきゃって思った

心配させたくないって思った

でも、スマホを開くことすらしんどくなった』


「……だから未読だったんだ」

事故でもなかった。

スマホをなくしたわけでもなかった。

わたしを嫌いになって突然逃げたわけでもなかった。

ただ――返事をすることさえできないくらい、疲れていた。



次回へ続きます。