『いい彼氏でいたかった
ななさんが何かで不安になった時は、ちゃんと受け止めてあげられる彼氏でいたかった
妊活のことも、ななさんが焦ってるのが分かってたから、俺が支えなきゃって思ってた』
胸の奥がズキッとしました。
妊娠検査薬を一緒に見た夜。
わたしが泣いた時、佐藤さんは何も言わずにそばにいてくれました。
「また、一緒に前を向こう」
そう言ってくれた。
生理が来た朝も、
「今日は無理しないでね」
そう言ってくれた。
電車が止まって会えなくなった日も
「俺も会いたかったよ」
そう言ってくれた。
その全部が、わたしにとっては本当に嬉しかった。
だから、佐藤さんが無理をしていたなんて、考えたこともありませんでした。
『頼れる彼氏でいたかったし
ななさんが俺のことを好きでいてくれるなら、それに応え続けなきゃって思ってた
嫌われたくなかった』
その文字を見つめて、胸が締めつけられます。
「……そんな」
わたしは、そんなことを望んでいたんだろうか。
佐藤さんに完璧でいてほしいなんて。
いつも優しくて。
いつも頼りになって。
いつもわたしの気持ちを受け止めてくれて。
そんな彼氏でいてほしいなんて、一度でも言っただろうか。
むしろ、佐藤さんがそばにいてくれるだけで嬉しかった。
そう思っていたはずなのに。
『最初は全然平気だった
ななさんが喜んでくれるのが嬉しかったし
俺が頑張れば、ななさんが安心してくれると思ってた
でも、少しずつしんどくなってきた』
そこでメッセージが途切れました。
次回へ続きます。