でも
だからといって、その人と過ごした時間までなくなるわけじゃない。
美咲さんと知り合ったことも。
真由さんと話したことも。
裕太をきっかけに、いろんな人と出会ったことも。
全部、今のわたしを作っている一部なんだと思います。
「……ありがとう」
誰に向けた言葉なのか、自分でも分かりませんでした。
美咲さんなのか。
真由さんなのか。
それとも、過去の自分なのか。
わたしはLINEを閉じました。
これから先、美咲さんとまた何かしらで繋がることが出来て連絡を取ることがあるかもしれない。
ないかもしれない。
人との縁なんて、先のことは分かりません。
ただ一つ思うのは
出会った人と、ずっと繋がっていなければいけないわけじゃない。
離れてしまったからといって、その出会いが無意味だったわけでもない。
その時、その瞬間に必要だったから出会った。
そして今は、それぞれの場所で、それぞれの人生を歩いている。
そう考えると
『メンバーがいません』
という表示も、少しだけ違って見えました。
寂しいけれど
これも一つの「縁の形」なのかもしれません。
わたしはスマホを枕元へ置きました。
そして、ふと思いました。
これから先、わたしの人生には、あと何人の人が現れるんだろう。
そして、その中で何人の人と、何年先までも繋がっていられるんだろう。
分からない。
でも
今、わたしの隣にいてくれる人。
今、わたしを大切にしてくれている人。
そんな人たちとの縁は、当たり前だと思わずに大切にしたい。
そう思いながら、わたしは静かに目を閉じたのでした。
この時のわたしはまだ知りませんでした。
今一番切れて欲しくないと思っている人との縁が、この先切れてしまうような事態になるなんて。
次回へ続きます。