会えなかった。
今日は抱きしめてもらえなかった。
顔を見ることもできなかった。
それでも、こうして言葉で支えてくれる。
そのことが、今は何より嬉しかったんです。
『ありがとう』
『ううん』
『明日も仕事だから、今日はちゃんと寝ようね』『うん』
『ななさん、今日は本当に頑張ったから』
また涙が出そうになります。
でも今度は、悲しい涙ではありませんでした。
「ありがとう……」
スマホを胸へ抱きしめます。
今日という日は、思い通りにならないことばかりでした。
一つ一つを思い出せば、また落ち込みそうになります。
それでも。今日の最後に、佐藤さんの言葉を聞けた。
それだけで、少しだけ明日が怖くなくなった気がしました。
『おやすみ』
『おやすみ、ななさん』
『また明日ね』
その最後のメッセージを見て、わたしは小さく笑いました。
「うん、また明日」
そう呟いて、スマホを枕元へ置きます。
明日になれば、また仕事があります。
朝が来れば、また普通の一日が始まります。
今回の結果が変わるわけじゃない。
生理が来た事実も変わらない。
悲しかった気持ちも、完全には消えない。
それでも。わたしは一人じゃない。
そのことだけは、今日という長い一日を終える前に、ちゃんと心へ残っていました。
わたしはゆっくり布団へ入り、目を閉じます。
明日は、今日より少しだけ笑えますように。
そんなことを願いながら、静かに眠りについたのでした。
次回へ続きます。