今日、何度も「大丈夫」と言ってきた。
早番の近藤さんにも。
お客様にも。
自分自身にも。
でも、本当は大丈夫じゃなかった。
それを佐藤さんには、見抜かれている気がしました。
『本当はちょっと疲れた』
思い切って送ります。
すると
『そっか、今日は頑張ったね』
たったそれだけなのに、 涙ぐんでしまいました。
「……ずるいよ」
誰もいない部屋で、思わず呟きます。
昨日もそうだった。
わたしが泣いている時、何も急かさず隣にいてくれた。
今日も会えなかったのに、LINEの向こうからわたしのことを気に掛けてくれる。
『ありがとう』
『ううん、今日は会えなくて残念だったけど、近いうちにまた会おうね』
その一言を見て、わたしはゆっくり頷きました。
「うん」
声に出してから、文字を打ちます。
『うん、また会おうね、今度はちゃんと会おう』
『うん』
しばらくして、また佐藤さんから届きました。
『明日仕事でしょ?』
『うん』
『もう寝る準備してね』
『佐藤さんもね』
『俺はまだ帰ってない笑』
『そうだったね笑』
思わず笑ってしまいました。
ほんの少しだけ今日初めて、自然に笑えた気がします。
その後、佐藤さんが家へ着くまで、何度か短いやり取りをしました。
そしてさらに三十分ほど経った頃。
『今、家着いた』
そのメッセージを見て、ほっとしました。
『お疲れさま』
『ありがとう』
『ちゃんとご飯食べてね』
『ななさんもね』
『うん』
『今日は会えなかったけど、LINEできて嬉しかった』
その言葉に、胸がいっぱいになりました。
会えなかった。
それは変わらない。
本当なら、今頃隣に座っていたかもしれない。
顔を見て話していたかもしれない。
抱きしめてもらっていたかもしれない。
でも今日は、画面越しの言葉だけ。
それでも、その言葉の一つ一つが、今日のわたしを支えてくれました。
『わたしもLINEできてよかった、そろそろお風呂入ってくるね』
送信してから、スマホを胸へ抱きしめます。
思い通りにならないことばかりの二日間でした。
だけど最後は良かった。
わたしはスマホを静かにテーブルへ置くと、長かった一日の疲れを癒すためにお風呂場へ向かいました。
次回へ続きます。