店へ着くと、嫌な予感はすぐに現実になりました。
店内にはたくさんのお客様。
レジには五人ほどお客様が並んでいます。
広い店ではないのですぐにお店の中がパンパンになってしまうんです。
「おはようございます!」
早番のスタッフがレジを打ちながらわたしへ声を掛けてくれました。
「おはようございます!」
返事をしながらタイムカードを押し、そのままバッグを置いて売場へ飛び出します。
もう息が上がりそうでした。
「すみません、この商品の在庫ありますか?」
「あの、プレゼント用に包装お願いできますか?」「会計お願いします!」
次から次へと声が飛んできます。
店長がいる前提で組まれているシフト。
その一人がいないだけで、こんなにも違うんだ。
改めて実感しました。
「高橋さん! レジお願い!」
「はい!」
レジへ入り、お会計をして、終わったと思えば今度は商品の問い合わせ。
ようやく対応を終えたと思ったら、今度は電話が鳴ります。
プルルルル……
でも誰も動けません。
早番スタッフも接客中。
わたしも目の前のお客様の会計中。
電話だけが何度も鳴り続けます。
ごめんなさい。
今は出られない。
心の中で謝りながら、お客様対応を優先するしかありませんでした。
やっとレジが落ち着いた頃には、お店の中が乱れていました。
それを今度はまたお客様が少ないうちにキレイに陳列し直さなければ。
「はぁ……」
思わず大きく息を吐きます。
昨日は妊娠検査薬の一本線を見て泣いていた。
今朝は生理が来て泣いた。
その気持ちを引きずったまま出勤してきたのに、悲しむ暇なんて一秒もありません。
忙しさが悲しみを押し流してくれているのか。
それとも、感じる余裕すらないだけなのか。
自分でも分かりませんでした。
次回へ続きます。