お家へお邪魔したのはちょうどお茶の時間だったので、わたしが座ると、お姉さんが次々と飲み物やお菓子をテーブルへ並べてくれました。

わたしが持ってきたマドレーヌやフィナンシェも出してくれました。

あらかじめ佐藤さんがお昼ご飯の用意は断っておいてくれたみたいです。


「このお饅頭美味しいの

良かったら食べてみて」

お姉さんがお菓子を食べやすいようにと勧めてくれました。

「ありがとうございます」

緊張しながら答えると、お姉さんはクスッと笑います。

「ななさん、本当に緊張してるね」

「分かりますか?」

「分かる分かる、ホントに気を使わず楽にしてよねー」

その優しい笑顔に、少しだけ肩の力が抜けました。


しばらくすると、子どもたちが

「見てー!」

と言いながら、おもちゃをたくさん持ってきます。「これ、新しい車!」

「メルちゃん!」

四歳のお兄ちゃんの海斗君と、三歳の妹の唯ちゃんです。

二人とも夢中で説明してくれる姿が可愛くて、わたしも自然と笑顔になっていました。


「二人とも元気いっぱいですね」

そう言うと、お姉さんは少し照れくさそうに笑います。

「毎日賑やかだよ、ケンカもするし、家の中なんて戦場」

すると義兄さんが笑いながら

「静かな日なんてないもんね」

と話し、みんなで笑いました。

そんな何気ない会話を聞いているだけで、温かい家族なんだなということが伝わってきます。


すると、お姉さんが突然立ち上がりました。

「あっ、そうだ!」

「なに?」

佐藤さんが聞くと

「ちょっと待ってて」

そう言って奥の部屋へ入っていきます。



次回へ続きます。