そんなことを考えながら天井を見つめていると

「ななさん」

隣から佐藤さんの優しい声が聞こえました。

「まだ起きてる?」

「うん」

「何考えてた?」

少しだけ迷いました。

言ったら、心配させちゃうかな。

そう思ったけれど、隠したくありませんでした。


「年齢のこと考えてた」

小さな声でそう言うと、少し沈黙が流れます。

でも、その沈黙は気まずいものではありませんでした。


佐藤さんはすぐに答えを出そうとはせず、わたしの気持ちを受け止めるように静かに聞いてくれます。「焦っちゃうんだよね」

そう続けると

「うん」

佐藤さんは優しく頷きました。

「焦る気持ちは分かる、でも、ななさんが一人で抱え込むことじゃないよ」

その言葉に、胸が熱くなります。


「妊活って、ななさんだけが頑張るものじゃないでしょ」

「俺も一緒だから」

その一言が、本当に嬉しかったんです。


妊活というと、どうしても女性ばかりが頑張るイメージがあります。

排卵日を気にして。

体調を整えて。

期待しては落ち込んで。

そんな毎日を繰り返してしまう。


でも佐藤さんは、最初から

「二人のこと」

として向き合ってくれていました。

その優しさに、何度救われたか分かりません。


「ありがとう」そう言うと

「今日はゆっくり寝よう」

佐藤さんは穏やかに笑いました。

その笑顔を見ていると、不思議と「大丈夫」と思えてきます。


結果はまだ分かりません。

期待もあるし、不安もあります。

でも、焦る気持ちまで一人で抱えなくていい。

そう思えたことで、少しだけ心が軽くなりました。


わたしは目を閉じながら、心の中でそっと願います。


どうか。この小さな一歩が、未来につながっていますように。



次回へ続きます。