佐藤さんへの返信を書き終え、送信ボタンを押しました。

「お疲れ様😊もうすぐ家に着くよ」

送信すると、すぐに既読が付きます。

「よかった😊ゆっくり休んでね」

たったそれだけのやり取り。

でも、不思議と心が温かくなりました。


こんなに優しくしてくれる人がいる。

Fさんの言葉は、間違っていなかったのかもしれません。


家に帰ると、お風呂に入り、ベッドへ入りました。マッチングアプリも消した。

裕太のことも終わり。

そう思ったはずでした。

なのに⋯。


部屋の電気を消した瞬間、頭に浮かんできたのは裕太の笑顔でした。

「なんで今さら思い出すの⋯」

自分でも呆れてしまいます。

さっきはあんなにスッキリした気持ちだったのに、シーンとした暗闇に居ると急に寂しさが押し寄せてくる。


何度もスマホを手に取っては、ホーム画面を眺めました。

もちろん、もうマッチングアプリはありません。

自分で消したんだから当たり前です。

それでも、どこかで「もし消さなかったら⋯」そんなことを考えてしまう自分がいました。


その時です。

スマホが震えました。

佐藤さんからでした。

「おやすみ😊また明日連絡するね」

その一文を見た瞬間、胸がギュッとなりました。


この人は、いつも変わらない。

わたしが不安になっても、迷っても、変わらず優しく接してくれる。

「もう過去ばかり見てちゃダメだよね⋯」そうつぶやきながら、わたしはスマホを枕元へ置きました。


だけど、この時のわたしはまだ知りませんでした。数日後、その決意を大きく揺るがす出来事が起きることを⋯。


次回へ続きます。