今日はもう裕太にメッセージを返すのはやめておこう。

一晩眠って冷静になろうとベッドに入っても、なかなか眠ることができませんでした。


たった一言。

『久しぶり』

それだけ返信しただけなのに、心の中がざわざわして落ち着きません。


佐藤さんには何も悪いことをされていません。

むしろ、その逆です。

わたしを大切にしてくれる。

未来の話をしてくれる。

誕生日も一緒にお祝いしてくれた。

「今度は三人で来よう」

そんな言葉まで自然に口にしてくれた人です。


わたしがずっと望んでいた恋愛を、ちゃんとくれている人。

それなのに。

どうして裕太に返信してしまったんだろう。

そんなことを考えていると、またスマホが震えました。


裕太です。

『最近どう?』

短い一文でした。

わたしは画面を見つめたまま動けません。

返信しない。

ここで終わればいい。

そう思っているのに、気付けば指はキーボードを開いていました。


『元気だよ』

送信。

すると裕太から、すぐに返事が届きます。


『そっか、

今、彼氏いるの?』

その質問を見た瞬間、指が止まりました。


どうしよう。

隠す必要なんてありません。

でも、素直に「いるよ」と返すことに、ほんの少しだけ躊躇してしまう自分がいました。


何を迷ってるの。

佐藤さんがいるじゃない。

心の中で自分に言い聞かせます。



次回へ続きます。